関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文2)決断力、勇気が経営者に欠けていた
この調査には3つの関心を持っている
久保井:久保井でございます。私は、昨年12月の会見の際にも申し上げましたけれども、この調査には3つの関心を持っております。1つは、どの範囲の人がどれだけのものを受領し、あるいは金品提供をしてきたのかという事実関係を知るということ。2つ目は、より私の関心事は、このような日本の地域のトップ企業が、このような恥ずかしい事件をなぜ起こしたのかと。つまり関西電力の経営陣には何が欠けていたのかと、この点が第2であります。 この私の関心事は第2のところに多くの関心、より強い関心がありましたが、12月の会見のときも申し上げましたけども、私は関西電力の経営陣に欠けていたのは、やはり長年にわたってやってはいけないと、つまりこういう常識外れな金品を受領することは、良くないことだということは、受け取った関電の役職員の人は十分分かっていたと。それを分からなかったという人はおそらくいないだろうと思います。それにもかかわらずそれを断ち切れなかった。 つまり一昨年に、取引先の会社の税務調査が入って、金沢国税局の調査が入って、初めてこの問題が発覚し、事件が終了したと。その調査以降は金品の受領はありませんから、その国税の調査によってストップが掛かったと。そして翌年の3月に森山氏が亡くなったと。事件は終了しているんですけど、自分の力で終了させることができなかった。関西電力は自浄能力がなかった。つまり他力で、もし金沢国税も入らず、森山氏も死んでなかったとしたら、まだ続いていたかも分からない。 なぜそういうことになったのか。その根本原因は、もちろんコンプライアンス意識が根本原因ですけども、やはり悪いことだということが分かっておりながら、それをやめようとしなかった。その決断力、勇気、それが経営者に欠けておったというふうに思います。そのことは報告書の中にも書いております。だから、狭い意味でのコンプライアンス意識が欠けてたということに加えて、経営者に必要なのは真の意味での会社の存続。つまり目先の混乱があったとしても、真の意味での会社の存続のためには、もっと早い時期に断ち切るべきだと思うんですが、真の愛社精神というものが足りなかったんじゃないか。