関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文2)決断力、勇気が経営者に欠けていた
森山氏の金銭提供目的に疑問があった
貝阿彌:貝阿彌でございます。私は委員を引き受ける当時、新聞記事を読み、あるいは社内調査報告書を見て、森山氏が金銭を提供した目的について、社内調査報告書ではその権威の誇示、あるいは礼儀の実践、そういうものではないかという記述があって、ただ、これだけの多額の金品を多人数、多数回、長期間、提供し続けるということが、そういう経済的な利益とか、そういう見返りを期待しないで、単に礼儀の実践とか、権威の誇示、そういうことでありうるんだろうかということが、一番の疑問で、そこに非常に一番の関心がありました。そのことは12月の記者会見でもお話ししましたが。 で、そこの金品提供の目的、意図については、先ほど委員長が報告したとおりで、概要版に書いてありますけれどもフォレンジック調査等からして、森山氏がかなり強引に自分の関連する企業に工事等の発注を要求して、それに対して関電の役職がなんとか応じようといろんなことを配慮をしておると。そういうことが幾つも出てきまして、現に要求に応じて発注したということもあるわけで、そういうところからこれは見返りとして発注等をさせて、自分の関連する企業ですね。そしてその関連企業から報酬とか謝礼とか手数料とか、そういうので経済的利益を得ると、そういう一連の仕組みですね。こういうものを維持するということが主たる目的であったというふうに、私自身もなるほどと、そういうものだなということが、確認できました。
工事と金品提供の関係がよく分からない
ただ、例えばある工事の発注とこの金品の提供が対になってると、1対1の、【対価関係 00:49:15】にあると、そういう疑われるものももちろんあるわけですけれども、なかなかその辺は、必ずしもよく分からないと。で、これは実は15ページに書いてありますけれども、森山氏はもうそういうことではなくて、長期期間にわたって提供し続ける、多人数、多数回ですね。そのことによって、ひとたび自分が工事発注等の要求をすれば関電の役職員が応じざるを得なくなると、そういうふうに仕向けていくことが狙いであったんではないかと。換言すると関西電力の役職員を自己の支配下に置く、自分が要求すれば応じざるを得ないと。そういう意味では、例えば、これは本体の版のほうには書いてありますけれども、関電の人事にもある程度介入しているということがあります。その点、この金品提供の意図、目的についてはそういうふうに、ある程度解明できたのではないかと思っております。 それからもう1つ、なぜこういうところから関電の役職員が抜け出せなかったのかについては、これは17ページに書いてありますけれども、金品の提供を受けた人が上司とか先輩に相談をすると。そうすると、いやいや、これは今までみんな個人で処理してきたんだというようなこと、だからおまえも個人で処理せないかんぞと、そういうふうなことを指示されて、あるいは示唆されて、半ば事実上の業務命令のようになっていたように思います。それに反することはできないということがあったように思います。 そこが、この調査をして、それなりにこの構造が、ある程度解明できたかなというのが、率直な感想であります。以上です。 司会:久保井先生。