「人を幸せにするおカネ」を研究したら「笑顔」にたどり着いた ウェルビーイングで地域を幸せにするには
テクノロジーをウェルビーイング向上に活用
――今回、改めて自治体との共創を考えたのはなぜでしょうか。 自治体の保健福祉部門や教育委員会などと協力しながら、地域全体でウェルビーイングの向上に取り組めるような施策を展開していきたいと考えました。例えば、エミーウォッシュを高齢者施設や学校に設置し、そこで働く人たちが笑顔の大切さを学び、それが地域に広がっていくような取り組みです。 また、先ほども触れた笑顔の循環経済の仕組みを、自治体と一緒に検討していきたいですね。笑顔の回数に応じて小学校への寄付をおこなったり、企業がエミーウォッシュのデータを活用してマーケティングや人事施策に活かしたりするなど、笑顔の価値を経済的にも循環させていきたいと思っています。 こういった取り組みを通じて、地域の人々の笑顔を増やし、ひいては地域全体の幸せにつなげていきたいと考えています。まさに、笑顔あふれるスマイルシティの実現を目指しているのが「スマイルシティプロジェクト」なのです。 ――今後の目標や期待についても教えてください。 私たちの目標は、テクノロジーと人々の幸せをうまく組み合わせて、ウェルビーイングの向上につなげていくことです。 単にテクノロジーを提供するだけではなく、それを活用しながら、人々の生活スタイルや組織の在り方、地域のコミュニティづくりなどにも働きかけていきたいと考えています。一人ひとりの笑顔が地域に循環し、やがては世界中に広がっていくような、そんな未来を描いています。 そのためには、様々な分野の専門家や地域の方々と協業しながら、新しい価値を生み出していく必要があります。 これからはより一層、オープンな共創の精神を大切にしていきたいと思います。多世代が互いに刺激し合い、一人ひとりが笑顔になれる社会を作っていく取り組みをこれからも粘り強く続けていきたいですね。
朝日新聞社