「寿命半分」を掲げた電車、登場30年超で〝再就職〟できる秘訣は? JR東日本209系、置き換え用車両も判明 【鉄道なにコレ!?】第68回
車外に乗降確認用カメラを備えたE131系は、ワンマン運転が可能だ。209系からの交換に伴い、一部列車で運転士だけが乗務するワンマン化を実施した。 一方、従来通り運転士と車掌の両方が乗務する房総地区の線区では、京浜東北線・根岸線で209系の後釜となった型式のE233系を入れる計画だ。E233系は京浜東北線・根岸線の他に中央線、青梅線、五日市線、横浜線、南武線などで運行しており、JR東日本関係者は「余剰になった一部のE233系を改造して房総地区に投入し、209系から車齢を若返らせる計画だ」と打ち明ける。 伊豆急に転籍する車両以外の209系は、原則として廃車になる見通しだ。自転車を折りたたまずに持ち込めるように、自転車を立てかけるバイクハンガーを車内に備えた209系を改造した列車「BOSO BICYCLE BASE(B・B・BASE)」の去就も気になるところだ。2018に登場し、両国駅(東京)を発着して房総半島などと結んでいるB・B・BASEは暖房設備の故障で24年10月から運休している。
重量半分・価格半分・寿命半分を標榜したため短命を予想する向きもあった209系だが、登場から30年を過ぎても〝再就職〟の声が掛かるロングラン商品となった。設計思想がその後登場したE231系やE233系などに生かされたことに鑑みると、次の世代の通勤用電車にたすきをつなぐ「移ルンです」と呼ぶべき役割を果たしたと言えそうだ。 ※【鉄道なにコレ!?】とは:鉄道に乗ることや旅行が好きで「鉄旅オブザイヤー」の審査員も務める筆者が、鉄道に関して「なにコレ!?」と驚いた体験や、意外に思われそうな話題をご紹介する連載。2019年8月に始まり、ほぼ月に1回お届けしています。鉄道以外の乗り物の話題を取り上げた「番外編」も。ぜひご愛読ください!