「中国の車でしょ」と侮るべからず!業界の勢力図を塗り替えるBYD シールの実力
中国が誇るトップメーカー、BYDの「シール」を徹底分析! 美しくスポーティな流線形は、アルファロメオなどで辣腕を振るったウォルフガング・エッガーによる仕事。 ▶︎すべての写真を見る プラットフォームとバッテリーを一体化させた独自設計により、ボディ剛性とハンドリング性能を飛躍的に向上するなど、その目覚ましい躍進ぶりに識者3名も期待大の様子だ。
ナメたらいけない完成度
今や年産300万台規模のメーカーとなったBYD。しかも乗用車のほぼすべてが電動化車両、うち半分がBEVとすごいことになっています。 多分に年間3000万台規模の自国内市場に支えられてのことですが、この勢いを武器に国外へと打って出ているというのがBYDの現状といえます。 このシールも然りですが、価格は大きな売りのひとつ。ただし安かろう云々ではなくプロダクトとしての質感もしっかりしており、日欧のライバルメーカーと比肩するレベルに達しています。 シールに乗り込んでみると、まず内装の作り込みに感心させられる。加えて床面がフラットなBEVならではの後席の足元回りの広さにも驚かれるかもしれません。 四駆グレードではスーパーカー並みの加速力を謳うシールですが、その速さは決して暴力的ではなくじんわり静か、でもとてつもなく速いというタイプです。
一方で、動力性能に対してフットワークが粗い面もあり、個人的には廉価な後輪駆動のほうが全体的なバランスの良さを感じました。 ともあれ、「中国の車でしょ?」とナメてはかかれないのは確かです。興味本位であれ、一度試乗してみることをおすすめします。
業界の勢力図を塗り替える!?
ちょっとした異変を感じたのは、21世紀に入った頃でした。出張で訪れるヨーロッパの主要都市、自腹では絶対に泊まれない、ややお高めのホテルの部屋の景色が変わりつつあった。 それまで、この手のホテルのテレビといえばシャープやソニーが定番で、「実家と同じヤツだ」などと、無邪気にリモコンをピコピコしていた。ところが、しだいにLGが幅をきかせるようになっていったのだ。 当初は危機感もなく、「LG悪くないやん」とか、「デザインはLGのほうが尖っているかも」なんて、ノンキに考えていた。 こう書くと上から目線のようですが、そうではなく、オレたちのシャープやソニーが負けるわけないと思っていたのだ。けれども、その後の展開はご存じのとおり。