「妊娠する前」に必要な準備〝不十分〟でも…今すぐ男性にできること 風しんの抗体検査とワクチンの受け方
15分ほどであっという間に
記者は1986年生まれなので、予防接種を受けているはずの世代ですが、記録が手元になく、そもそも接種を受けたか、「1回の接種では免疫がつかなかった場合の多くに免疫をつけることができる」とされる2回接種を受けたか、を確かめることができませんでした。 国は2014年に「風しんに関する特定感染症予防指針」を策定し、妊娠希望女性“等”に対する抗体検査を行う都道府県、特別区及び保健所設置市への補助事業を実施しています。 記者が住む東京都など、多くの自治体では「妊娠を希望する女性」と「妊婦の同居家族」を対象として、風しんの免疫の有無を確認するための抗体検査を無料で受けられる事業を行っています。 自治体ごとに風しん対策の補助の有無や補助の額などのあり方が異なりますが、東京都内の私の住む自治体では、以下に該当すれば、無料で風しん抗体検査を受けられます。 その条件は「(1)妊娠を希望している女性(19歳以上の方)」「(2)妊娠を希望している女性と同居している19歳以上の方」「(3)妊娠している女性と同居している19歳以上の方」で、男性も(2)(3)であれば無料で風しんの抗体検査を受けられるのです。 第一子の妊娠の時に妻は風しんの抗体検査を受けており、第一子は無事に誕生しましたが、私はその前後で抗体検査を受けていませんでした。次の子どもをもうけることを検討する中で、今回は私も抗体検査を受けておくことにしました。 実際にしたのは、まず、「XX区 風しん 検査」とネットで検索すること。区の公式サイトであることを確かめて、その案内に従います。とはいえ、対象者であれば、「現住所や年齢の確認できるもの(保険証や運転免許証など)」を準備し、区の協力医療機関に電話予約するだけ。 私の場合はたまたま我が子のかかりつけの医療機関で大人も検査可能だったので、まさかの子どもを連れずに小児科に受診することになりました。 予約日時に医療機関へ行き、「あら、XX(子どもの愛称)のお父さん」などと言われながら、確認書類を提示。医療機関に備えてある検査申込書を受け取り、必要事項を記入のうえ提出。 よくお会いする先生に軽く説明をされ、なじみの看護師さんたちに検査(採血)され、結果の説明の予約を入れて帰りました。この間、15分ほどで、あっと言う間に終わりました。 後日、説明を聞くと、私の場合は幸い、十分な抗体価がありました。ここでもし抗体価が低い場合は、予防接種の申し込みができます。 記者の住む自治体では、予防接種も無料で受けられる、ということでした(ただし、大人用のワクチンが常にある医療機関でなければ、ワクチンの入荷までに少し時間がかかるということでした)。 子どもができてあらためて実感したのが、子どもの健康とはかけがえのないものであること。そして、風しんのような病気は、それを生まれてくる前から損なわせるおそれがあるもので、怖いということです。 独立した人間ではあるものの、生まれる前、幼いうちは、ひしひしと責任を感じる子どもの健康。それを守るための準備としては、風しんの検査は、やってみれば想像よりはるかに簡単で、だからこそ多くの人に検討してほしい仕組みでした。