ユーミンの目に思わず涙が……「写真展 能登 20240101」の会場で公開収録
豪雨が起こった時も佐藤に連絡し「その様子も収めないと」と伝えたというユーミン。その時には一通りの写真が揃い入稿のタイミングだったそうだが、佐藤も「写真を追加した方がいい」と同じ気持ちだったそうで、すぐに現地に向かったのだそう。「数か月、能登の現状を撮影してきましたが、泥で村が埋まっているという全く見たことのない景色がまた広がっていた」と惨状に言葉を失ったという。 そんな佐藤の撮影した写真の中で印象的なものを聞かれると、上坂は「珠洲のシンボル・見附島の写真」を挙げた。「まったく別の島になってしまったようで悲しいと思っていましたが、佐藤さんの静かな写真を見て、珍しい島や入り組んだ海岸線などそういうものは、多くの自然災害を繰り返して作られたのだと思いました。そういったものが人が作れない景色を生み出したのだとしたら、見附島の様子は変わったけれど、残ってくれてありがとうと思うことができました」と考えが変わったことを明かす。 ユーミンは雑誌の撮影で見附島に行ったことがあり、鐘をついてから波打ち際まで行くと良縁に恵まれるということで「独身の女性スタッフが鐘をついてものすごい勢いで海まで走っていったのを思い出します(笑)」とエピソードを話して笑いを誘う。しかし、「そんなハッピーな思い出があるからこそ、(現状を思って)胸が締め付けられます」と、思いが込み上げ涙ぐむ場面も。 だが、そんな能登にも希望を感じられるニュースが。上坂が「隆起して出られなくなった船がたくさんあったのですが、今はカニ漁が解禁され、震災ですべてのワインが流れ出てしまったワイナリーが、県内外の支援を受けて新しい能登ワインが出荷されることになりました。そして新大関・大の里の誕生も明るいニュースです」と紹介。さらに、「能登に行ってはダメだと思っている人がいると思いますが、『今行ける能登』というサイトがあります。観光情報もたくさん載っているので、是非見てください」とリスナーができる支援について呼びかけた。 「会場にいらっしゃる皆さん、聞いているリスナーさん、写真展に足を運んだ人。ボランティアなど目に見える行動も大事だけど、目に見えなくても思っていることもすべて力になります。能登を忘れない、思い続けることが一番の支援になると信じています」とメッセージを残し、上坂とはここでお別れとなった。