「もっと努力できた」石神深道騎手が振り返るルーキーイヤー 見守る父・深一騎手のエール/新人記者のトレセン日記
【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 今年の中央競馬も残すところあと1日となりました。「今からデビュー」と話していた新馬も3歳になろうとしています。そんななか「あっという間でした。もっと努力できたと思いますし、満足いかない1年でした」と話すのはルーキーイヤーを終えようとしている石神深道騎手。どんなふうに過ごしたのか振り返ってもらいました。 初騎乗となったのは3月2日・中山1Rのプリンセスアメリカ。「一瞬でした」と当時の心境を語ります。一番印象に残っているのは“初勝利の日”だそう。3月31日・中山1Rのザロック。デビューから21戦目で手にした勝利を回想し「素直にうれしかったですし、(今年)4勝させてもらいましたけど一番覚えています」と笑顔があふれました。 そんななか、ずっと見ていたのは父の背中。深道騎手のお父さんは深一騎手ですが、教わったことが多くあるそう。特に参考にしているのはゲート。早めにゲート裏に行くなど、スタートまでの間にいかに工夫できるかが大事だといいます。「実践しても落ち着かないことはありますが、前走時と比べたり、練習の時と比べたら良くなっていることもありますね」。このあたりのコツに関しては「他のジョッキーのアドバイスも実践してみますが、やはり父のやり方のほうがうまくいくことが多い」とか。 では、4勝を挙げたお子さんの騎乗ぶりを父はどう見ていたのでしょうか。「もう少し頑張ってほしいですし、1桁勝利というのは数字的に寂しいですね」と厳しい言葉が飛び出した一方で、褒め言葉も。深道騎手は朝一番から最後の調教時間まで乗っている姿を私たち記者もよく目にしますが、深一騎手もしっかり見ていました。「技術的にはまだまだですが、僕が見ている限りは寝坊せずに調教の回数も乗ってますし、平日に関しては一生懸命頑張っているなというふうに見えているので。それを土日の競馬に生かしてほしいですね」。陰ながら息子の頑張りを見守り、「騎手人生は長いでしょうから、諦めず精進してほしいです」とエールを送りました。 「たくさん勝ちたいです! 30勝を目指します」。力強く来年の目標を掲げてくれた石神道騎手。飛躍の年につなげるべく、今年最後の競馬に向かいます。
栗栖 歩乃花