【やっぱり残念】別れが惜しまれるスマートなコンパクトカー物語 この4台は間違いなく都市交通のスマートなソリューションだ!
その2: シトロエンC1 Ⅱ
残念ながら日本には正式導入されないままのシトロエンC1だが、本来はトヨタ、プジョー、シトロエンの共同開発によるモデルで、トヨタでアイゴと皇族のような名前で呼ばれて売られているコンパクトカーである。実際に僕の周りでシトロエンC1を個人輸入して乗っている方がいるのだが、実物は思ったほど小さく見えず、なかなか立派な大きさの自動車と感じた。
これは他のシトロエン(あるいはプジョー)のモデルの大きさが拡大化しているためで、一つ上のセグメントは(例えばプジョー208など)、3ナンバーの大きさのボディとなっている。こういう全世界的な自動車の大型化は困った問題で、小さいほうが使い勝手もよく、車庫の問題などで、この大きさでなくては困る、という人もいるはずなのに自動車だけはどんどん大きくなってしまうのはいかがなものなのだろうか。
という話はともかく、このシトロエンC1、まあ内容はどうってことのない3気筒エンジンのベーシックな自動車だし、下に開かない後ろのリヤウインドーを見てもコスト重視なことがわかる。それでも決してチープにとか、女子向け(と言うとジェンダー的にたたかれる世の中なのだろうか・・・)のカラーリングに走ることなく、できるだけお洒落にしようと頑張っているところがフランス的で微笑ましい。この写真でも妙な処理に見えるBピラー部は、ポールスミスの洋服のようにマルチカラーの処理がなされており、これだけでずいぶん印象が向上するようにも思えるのはひいき目なのだろうか。
シトロエン・ジャポンも、こういう小さなシトロエンをできるだけベーシックな仕様(マニュアルミッションとか)で導入したらなかなか面白かったのになぁ、とは思う。だが、もし仮に導入されていたとしても、シトロエン・ジャポンが満足する台数が売れたかと聞かれると答えに窮する。そもそもシトロエンみたいな自動車は、秘密の花園的にひそやかなほうが珍重されるものだが、そうはいっても導入コストをペイできなければいけないだろう。それに、1台売れたとしてもこういう安いモデルの利益というのはたかが知れているし、かえってラインナップの中のお荷物になりかねない。 そう考えるとC1を導入しなかったことは、まあ理解できるが、それでもちょっと残念だなどと思ってしまうのだから、自動車エンスージャストというのは始末が悪い人種である。