感染経路「家庭内」が15週連続で最多 東京都の濃厚接触者を分析―モニタリング会議で識者
東京都は12日、新型コロナウイルスの感染状況や医療提供体制を専門家らが分析するモニタリング会議を開いた。その場で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は「濃厚接触者を感染経路別に見ると、同居する人からの感染が15週連続で最も多くなっている」と述べた。
大曲氏は直近1週間の濃厚接触者の感染経路について「80代を除くすべての年代で同居する人からの感染が最も多い。10代以下、70代では50%を超えている」と指摘。「職場、施設、飲食店で感染して、複数の家庭内に新型コロナウイルスが持ち込まれる恐れがあり、実際に起こっている」とも語り、職場や家庭内で手洗いやマスクの着用、3密の回避、消毒などの感染防止策を徹底する必要があると呼び掛けた。 室内の換気の重要性についても言及。「外が寒くて暖房を入れていても1時間ごとに窓を開けるといった換気を徹底する必要がある」と語った。 大曲氏は、経済活動の活発化に伴い、人の往来や活動が増えているとし、「そのまま何も対策しなければ感染リスクが高まる機会が増加することになる」と説明。「年末年始には忘年会、新年会、初詣、大人数での長時間の飲食の機会、イベント等が増えることが想定されている。感染リスクが上がって、結果として新規の陽性者が増加することを懸念している」と述べた。