成長するタブレット市場、スマホとのすみ分けは?
最近、タブレットの新製品が続々と登場しています。日本HPは8月6日から、Beats Audio搭載の高音質な7インチモデル「HP Slate7」を発売。米Googleは7インチタブレット「Nexus 7」の新モデルを7月30日より米国で発売しています。 さらにショップブランドの動きも活発化しており、ヤマダ電機ではレノボ・ジャパンと共同開発した7インチのオリジナルタブレット「EveryPad」を7月12日から販売開始しました。これを機にSNSなどのコンテンツを拡充し、インターネット会員の囲い込みを行うといった目的もあるようです。
ショップブランドを含め、ここまでタブレットの選択肢が広がってきたのにはいくつかの理由があります。タブレットが登場した頃、どうしても知名度が高いメーカーの製品は高額で、逆に低価格な怪しい模倣品は品質に難がある、といった二極化が見られました。 しかし最近では、液晶をはじめとした各種パーツの流通量増加、ソフトウェアを含む開発・製造技術の向上などにより、メーカー側でも低価格から高性能まで、多様なタブレットが提供しやすくなってきたのです。オープンソースのAndroid OSが普及してきたのも大きな要因といえます。
キッズ向けタブレット市場も拡大
こうした市場の変化は、ユーザーの拡大にもつながっています。総務省が6月14日に発表した「平成24年通信利用動向調査の結果」によると、タブレットの世帯保有状況は2010年末が7.2%、2011年末が8.5%と微増だったのに対して、2012年末には15.3%まで増加。一般的な用途はもちろん、キッズ向けタブレットなど新たな市場も拡大していることから、今後はさらなる需要の増加が見込まれます。 また、タブレットはPCと比べて起動が速く、スマートフォンよりも画面が大きいといった面で、ビジネスシーンでも活躍しています。普段のメールチェックや資料の確認から、取引先での簡易プレゼンテーション、飲食店をはじめとしたサービス業ではメニューの表示や注文、店内アンケートなどに使ったりと、その活用の幅は実に多彩です。 さらに最近は、タブレットでシンクライアント環境を構築するようなソリューションも登場しています。中には、社内の支給端末をノートPCからタブレットに総入れ替えしたという企業まで出てきました。