成長するタブレット市場、スマホとのすみ分けは?
電話をかけやすいサイズか
それでは、タブレットは今後どのような方向へと発展していくのでしょうか。見た目や使い勝手が非常に近いスマートフォンとの差別化については、ずばり“電話をかけやすいサイズか否か”で棲み分けができます。前提として電話機能の有無が挙げられるものの、たとえば4~5インチクラスのタブレットが出たとしても、スマートフォンで代替できるので需要がありません。 逆に、手に持って通話がしづらいサイズのスマートフォンも同様に需要が減ります。確かに、Bluetoothのイヤフォンマイクを使えばハンズフリー通話が可能ですが、現段階ではやはり通話時に本体を持つスタイルが一般的。最近は5インチ以上、7インチ未満のスマートフォンを指す「ファブレット(Phone+Tablet=Phablet)」といった造語も見られるように、この辺りが棲み分けのラインといえるでしょう。 そのほか、ソフトウェアやコンテンツの制作側としては、大画面を活かしたタブレット向けのアプローチがさらに加速していくと予想されます。従来PC向けに作られていたWebサイトをタブレット向けに最適化するような取り組みはもちろん、アプリ開発のアプローチがより多面的になる可能性もあるでしょう。 たとえば、今まではアプリをiPhone向けに開発した後、iPad向けに最適化するといった動きが多く見られました。しかし今後は、最初からタブレットでの使用を前提としたアプリ制作が増えることもあり得ます。あとはいかにユーザーニーズに応じたものを提供できるかが鍵になるでしょう。 今後、さらなる市場の伸びが予想されるタブレット市場。メーカーやアプリベンダーがどのような新しい可能性を引き出すのか、その動向に期待したいところです。