60歳代~70歳代「貯蓄3000万円以上・貯蓄ゼロ」それぞれ何割?シニアの貯蓄事情
貯蓄ゼロの高齢者の割合
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯と2人以上の世帯でみる貯蓄額の中央値は、以下のとおりでした。 ・60歳代:単身世帯210万円、2人以上世帯700万円 ・70歳代:単身世帯500万円、2人以上世帯700万円 中央値とは、データの数値を小さい順に並べた場合にちょうど真ん中にくる値です。平均値に比べると、中央値の値が少ないため、全体的な傾向としては貯蓄のない世帯のほうが多いといえます。 貯蓄のない世帯は、公的年金や年金以外の収入で生活する必要があるので、家計のやりくりが重要です。 では、60歳代と70歳代で貯蓄のない世帯の割合がどの程度いるのか、確認しましょう。 ●単身世帯でみる割合 単身世帯における貯蓄のない60歳代と70歳代の割合は、以下のとおりでした。 ・60歳代:33.3% ・70歳代:26.7% 60歳代では3世帯に1世帯が、70歳代は4世帯に1世帯が貯蓄のない世帯でした。単身世帯では、貯蓄のある世帯とない世帯が二極化している状況となっています。 ●2人以上でみる割合 2人以上世帯における貯蓄のない60歳代と70歳代の割合は、以下のとおりでした。 ・60歳代:21.0% ・70歳代:19.2% 60歳代、70歳代ともにおよそ5世帯に1世帯が貯蓄のない世帯となりました。 単身世帯と同じく、貯蓄のある世帯とない世帯が二極化している状況です。では、高齢者は将来の生活についてどう感じているのか確認しましょう。
シニア世代の経済的な暮らしについて
内閣府が発表している「令和6年版高齢社会白書」によると、経済的な暮らしについて「まったく心配がない」「それほど心配がない」と感じている高齢者は、全体の68.5%でした。 将来の生活を心配している割合は31.2%と、あまり将来を不安視していない結果となっています。 一方で、家計にゆとりがないと回答している割合は、全体の約88%でした。 つまり、約9割の高齢者が家計にはゆとりがないと実感しています。そのため、物価高や社会保険料の負担増が重なれば、将来の生活を不安視する高齢者も増える可能性があります。 貯蓄が少なく家計にゆとりのない世帯は、以下の方法で状況を改善できるように取り組みましょう。 ・ライフプランニングで将来的に必要な支出の確認 ・不要な支出を減らすために保険料や固定費が削減できないかチェック ・少額でも資産運用や貯蓄に資金を回す とくに、今後も物価高が予想されているので固定費の削減ができないか、最低でも半年か1年に1回は確認してください。