マ軍と再契約の岩隈、ローテを守れば、3年57億円
合意していたドジャース入りが破談となり、急転、マリナーズと残留契約をした岩隈久志(34)が18日、シアトルのセーフコフィールドで会見に臨んだ。 岩隈は会見の冒頭で、まず「The Bear is back in Seattle(熊がシアトルに帰ってきた!)」と英語でスピーチ。岩隈の隈と熊をかけた洒落た名言だった。 「ドジャースとの問題が起きたが、常にマリナーズはコンタクトを続けてくれていた。そこに愛情や情熱を感じたし、なにより僕を他のどのチームより必要としてくれていると感じた」と、マリナーズとの再契約を決めた理由を説明。ドジャースが身体検査で異常が見つかり白紙に戻した“故障疑惑”についても「何があったのかわからない。ドジャースに聞いてください。僕はめちゃくちゃ元気です」と、笑顔で否定した。 一旦合意に至ったドジャーズが、契約を白紙に戻した“故障疑惑”については地元メディアも大きな関心を寄せていて、地元紙「シアトルタイムズ」も丹念に関係者を取材した上で「岩隈はとてもとてもとても元気だ。4年間の彼の故障歴も現在の状況もすべて知っている。チームのリック・グリフィントレーナーとメディカルチームも、彼については何の問題もないと結論づけていたし何の問題もないという状況に変化はない。我々はそこには自信をもっている」というジェリー・ディポットGMの談話を紹介。 ジェフ・キングストン、アシスタンドGMの「ドジャースがいったい何に疑問をいだき、レッドフラッグを揚げたのかがよくわからない」というコメントも掲載した。 また同紙は、今回の詳細な契約内容も報じた。 プラス2年延長のオプションのついた1年契約で、2016年の年俸ベースは、1000万ドル(約12億円)にプラス100万ドル(1億2000万円)のサインボーナス。そこにシーズン150イニング以上を投げた場合、最大250万ドル(約3億円)のインセンティブがプラスされる。 延長契約のオプション(選択権)はマリナーズが持つが、その場合最低年俸は1000万ドル(約12億円)で、2016年の投球イニング数が162イニング以上ならば、2017年は1400万ドル(約17億円)、2018年は、2年間の合計が324イニングを超えていれば、1500万ドル(約18億円)がベースの年俸となる。 そして、それぞれのシーズンに150イニング以上を投げると、最大250万ドル(約3億円)のインセンティブがついている。過去に岩隈は、アクシデントのなかった2013年には219イニングと3分の2、2014年には179イニングを投げた。つまり大きな故障やアクシデントがなく先発ローテーションを守りさえすればクリアできるインセンティブ契約で、その場合、3年間で4750万ドル(約57億円)となり、ドジャースと合意した3年4500万ドル(約54億円)を上回るものとなる。 またトレード拒否権が岩隈にあり、日米のビジネスクラスの8度分の往復航空チケット、フルタイムの個人トレーナーを雇う経費もプラスされた。