今日ダービ!“紅一点”牝馬の挑戦サトノレイナスは14年ぶりの快挙を成し遂げることができるのか?
「競馬の祭典」第88回日本ダービー(G1、2400メートル芝)が今日30日、東京競馬場で行われる。1枠1番に入った史上8頭目の無敗2冠を目指すエフフォーリア(牡3・鹿戸)と共に注目を集めているのが、“紅一点”牝馬として挑戦する8枠16番のサトノレイナス(3牝・国枝)だ。爆発的な末脚は世代屈指。名手クリストフ・ルメール騎手が選んだことから前売り最終単勝オッズでは、1番人気のエフフォーリアの1.8倍に次ぐ5.5倍に支持されている。牝馬のダービー制覇となれば、ウオッカ以来、14年ぶり史上4頭目の快挙となる。
名騎手のルメールが選んだ
勝算があるからこそのチャレンジだ。桜花賞2着のサトノレイナスは牝馬限定のオークスをパスし、世代の頂点を決める日本ダービーへの道を選んだ。追い込み一手で器用さに欠けるイメージながら末脚の破壊力は一級品。有力候補の1頭に挙げられる資格は十分にある。管理する国枝栄調教師も自信を持って送り出す。 「もともと距離が延びていいタイプと思っていた。1歳上の兄サトノフラッグより能力があるのではと感じていたし、近年は牝馬が牡馬相手に互角に戦っている。桜花賞の最後の脚を見て、これなら牡馬相手でも遜色ない競馬ができるんじゃないかと思った。オーナーも快諾してくれ、ルメールさんも”ダービーに出るなら乗りたい”と言ってくれました」 ここまで4戦2勝、2着2回。敗れたのは、阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞のマイルで行われたG1の2レース。いずれも相手は白馬のソダシで、わずかに及ばなかった。特に大外枠となった桜花賞はスタートから行き脚がつかず4角ではまだ16番手。そこから上がり3ハロン32秒9の鬼脚を発揮し、レコード決着の1分31秒1で駆け抜けた。そのポテンシャルはダービー馬クラス。陣営が日本ダービーに矛先を向けたのも十分うなずける。 ただ牝馬の日本ダービー挑戦には高い壁がある。グレード制導入以降の過去25年間でダービーに出走した牝馬はわずか3頭。1996年ビワハイジが13着、2014年レッドリヴェールが12着と2ケタ着順に敗れる一方で、2007年のウオッカだけが直線を突き抜け、1着に輝いている。実に牝馬の優勝は64年ぶり史上3頭目の出来事だった。 今回のサトノレイナスはウオッカの再来となれるのか。