【ハイライト動画あり】ブレイブルーパス東京、リーグワン初制覇。互いの力を引き出し合う激闘の末に。
勝利の立役者の一人モウンガは「最後のTMOはスローフォワードだと思っていましたが、きょうは運がありました」と安どの表情を見せた。交代出場で活躍した眞野泰地は「勝つカルチャーがあったからこそ、最後に勝つことができたと思います」と東芝府中時代からBL東京に根付く勝利の文化を語った。クラブとして14年ぶりの優勝だが、リーグワンの前身トップリーグでは5度優勝している常勝軍団だった。先人たちがその文化を伝え、プロクラブになってさらに磨き上げてきたからこその優勝だということだ。「マイケルさん(リーチ)がキャプテンになって、チーム力が自然に上がりました。みんながマイケルさんを勝たせたいと思っていましたから」。みんなが愛するキャプテンは、初体験の胴上げで棒のような姿勢で宙を舞い、笑いを誘った。
敗れた埼玉WKだが、その底力を見せつける終盤の猛攻だった。引退する堀江翔太は気丈にピッチ上でのインタビューに応えた。「応援ありがとうございました。プロ選手としてプレーオフで負けたら意味がないと思いますけど、今まで勝ち続けたことは誇りです。試合に出たメンバー、出ていないメンバー関係なく胸を張っていいと思います。悔いなくラグビー人生を終えることができました。生まれ変わってもラグビーはしません。それくらい十分にラグビーをできて、幸せです。引き続き日本ラグビーの応援をお願いします」。観客の声援に応え、ピッチを去る直前、こらえきれずに涙を流した。
拮抗した好試合が相次いだ今季のリーグワンの最後にふさわしいファイナルだった。今季のディビジョン1は、世界のビッグネームが多数活躍し、日本生まれの選手もレベルアップ。運動量豊富で戦術的にも質も高い試合が多かった。東京サントリーサンゴリアス、横浜キヤノンイーグルス、コベルコ神戸スティーラーズ、クボタスピアアーズ船橋・東京ベイ、トヨタヴェルブリッツが最後までトップ4争いを繰り広げ、静岡ブルーレヴズ、三菱重工相模原ダイナボアーズも着実に力をつけた。花園近鉄ライナーズが入替戦で敗れて浦安D-Rocksと入れ替わることになったが、来季もさらに拮抗した戦いが繰り広げられるだろう。来季の開幕が待ち遠しいが、6月からはリーグワンの選手たちが結束して戦う日本代表シリーズでラグビーを楽しみたい。
村上 晃一