“大炎上”秀岳館サッカー部男性コーチの暴行問題の新展開に波紋…生徒の謝罪動画拡散の違和感
秀岳館高は1923年に八代町立代陽実業補習学校として開校し、2001年から現在の校名になった。春夏合わせて甲子園に6度出場した男子硬式野球部は、2016年春、同夏、2017年春と続けてベスト4へ進出した実績を持っている。 2014年度の全国高校選手権大会で初出場を果たした男子サッカー部も、県内有数の強豪校として知られる。全国選手権で準優勝した大津に大敗したものの、昨年度の熊本県大会でも決勝へ進出。昨年度の部員数は約200人を数えていた。 5月下旬からはインターハイ予選が開幕するなかで、うがった見方もできる。今回の一件で学校側の責任を問われ、サッカー部の活動停止や出場辞退となる状況を好ましく思わない部員や保護者がいる場合にはどうなるか。ツイートに寄せられたコメントには、日本社会独特の同調圧力が11人に働いたのでは、と勘繰るものもあった。 「間違った状況に勇気を出して抗議したことが『調和を乱した』ことになり、『お騒がせして申し訳ありません』と謝罪させられることになる」 現段階で言えるのは、SNSの公式アカウントへ動画を投稿した11人がさまざまなプレッシャーにさらされているということだ。たとえ本人たちの意思で行ったこどだとしても、子どもだけの問題に矮小化させてはならない。教育に携わる者として学校側がしっかりと事態を解明した上で見解を示すべきだし、何よりも11人の心をケアしなければいけない。 報道によればサッカー部は23日に保護者会の緊急役員会を開き、段原監督が事情を説明。週明けの25日には学校側が学年ごとに集会を行うという。しかし、明らかに一線を越えた行為を働いている明確な証拠がある状況で、被害を受けた側が謝罪する不可解な展開は、さらなる批判が殺到するなど、火に油を注ぐ事態をすでに招いている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)