“大炎上”秀岳館サッカー部男性コーチの暴行問題の新展開に波紋…生徒の謝罪動画拡散の違和感
ネット上で拡散されて炎上を招いた動画には、後ろ向きに立たせた生徒を、男性が何度も蹴っているシーンが収められていた。思い切り蹴り上げられた生徒の体は何度も浮き上がり、見守っている別の生徒の「ヤバくね」という声も拾われている。 別の動画には同じ男性が生徒の背中を、右拳を大きく振りかざし、勢いをつけた上で殴りつける様子もはっきりととらえられていた。理由はどうであれ男性による一連の行為は指導の域をはるかに超越した、傷害事案にあたる暴行となる。 地元メディアの報道によれば、動画が撮影されたのは20日夕方で、場所は秀岳館高サッカー部の寮内。男性は30代の同校教諭でサッカー部のコーチ、暴行を受けた生徒は3年生部員で、前者は21日から自宅待機を命じられているという。 学校側の対応はどうか。22日時点では男子サッカー部公式ホームページ内に「関係者の皆様へ」と題された、次のような文言が掲載されているだけだ。 「このたびは世間をお騒がせしてしまっていることを深くお詫びいたします。現在、学校と連携して調査を進めております。保護者の皆様、地域の皆様にはご心配、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」 調査を進めている段階で、なぜ部員たちによる謝罪動画が公開されたのか。ネット上に一度投稿され、拡散された動画は完全には消去できない。未成年の顔や名前がさらされ続ける状況は、さまざまなリスクをはらむ。この点にまず違和感を覚えた。 公式ツイッターやインスタグラムは、部員が中心になって運営しているという。そのSNSの管理を学校側がどうしていたかは不明だが、子どもたちの未来を守る教育者としての観点で事前にやめさせるか、あるいはすぐに削除するといった対処ができなかったのか。残念ながら23日未明の時点でも、投稿は拡散され続けている。 対照的に当事者である男性コーチだけでなく、男子サッカー部の段原一詞監督も、さらには中川靜也校長兼理事長も口をつぐんでいる。この状況にも違和感を覚えずにはいられない。部員たちを矢面に立たせた、と指摘されても反論できない状況に、リツイート数が7500件を大きく超えたツイートにはこんなコメントが寄せられている。 「被害者が謝罪を強要され、加害者が一歩も表に出てこないの怖すぎだろ」 「まともな判断が出来る大人はこの組織に居ないのかな?」 「新しいタイプの教育虐待だなぁ」 「学校が正式に発表するなら分かるがこれ、誰の指示?これはいかんと思うぞ」 「大人の不祥事の火消しのために子供を盾にするとかろくでもねえなこの学校」