国内初開催の「On Track Nights: MDC」がスパーク! 大盛り上がりのスタジアムで好タイムも飛び出した
7月27日、パリに負けないだけの熱狂が大蔵運動公園陸上競技場を渦巻いていた。 スイスのスポーツブランド「On(オン)」と横田真人氏が代表を務めるTWOLAPSが「On Track Nights: MDC」を開催。酷暑のなか、選手、スタッフ、観客が汗だくになりながら一夜のレースを楽しんだのだ。 そのすべてが〝規格外〟だった。トラックレースは中距離種目(800m、1500m、3000m)のみ。バックストレートにはトンネルがあり、観客はインフィールドでも観戦できる。スタジアムは音楽が鳴り響き、選手の入場・フィニッシュには火花とスモークが噴き出した。
キラキラに輝く陸上競技場。イベントから大盛り上がり
パン食い競争はなんと木村屋監修。女子は「新谷仁美vs. 増田明美」の対決が実現した。「絶対に負けません」という新谷選手に対して、増田さんは「木村屋のあんぱんならケチャップをつけて食べようと思っていました」と謎の応酬。オリンピアンたちの激突は、長身の新谷選手がサクッとあんぱんをゲットして、増田さんに完勝した。 男子は世界選手権の男子400mハードルで2つの銅メダルを獲得した為末大さん、東洋大時代に「山の神」と呼ばれた柏原竜二さん、100mで10秒12のタイムを持つ本郷汰樹選手らが出場。本郷選手が抜群のスタートダッシュで飛び出すも、為末さんが鮮やかな〝パン食い技〟で逆転した。 インフルエンサーNo.1決定戦1000mには主催者である横田氏も参戦。元800m日本記録保持者のスピードで序盤はトップを走るも、中盤は三津家貴也さんが前に出る。後半勝負で臨んだ上野裕一郎選手がラストで抜き去り、2分24秒04の自己ベストで優勝した。 「すみません、声援ありがとうございます! この大会に帰ってこられたことが有難いです」と上野選手は笑顔を見せた。
ハイレベルなグランプリレースで観客も大熱狂
そしてグランプリレースはレベルが高く、選手たちの本気がスタジアムをさらに熱くした。女子1500mはOACのモーディー・スカイリング(豪州)が4分07秒33で優勝。日本勢では森智香子(積水化学)が2位に入った。驚かされたのが、もうすぐ32歳になる森が大幅ベストで、日本歴代9位の4分10秒33をマークしたことだ。 「自己ベストを4秒も更新することができて、自分でも予想以上の走りができたと思いました。一度走ったことのある競技場なんですけど、同じ場所なのかというぐらい雰囲気が違うんです。トラックのなかにも応援の方がいて、すごく距離が近く、みんなでタイムを出そうという雰囲気に乗れましたね。(4分10秒の)ペーシングライトより前で走っていましたが、まさか10秒台でゴールできるとは思っていませんでした。もっと上を目指していきたい気持ちが生まれました」と汗びっしょりの森が声を弾ませた。 タイムレースで行われた男子800mは阿見AC所属でパリ五輪に南スーダン代表で出場するグエム・アブラハムが1分47秒41で優勝。北村魁士(山梨学大)が1分47秒85で3位に入った。 女子800mはOACのベンデレ・オボヤ(豪州)が1分59秒37で制して、「皆さんの歓声と叫び声が私の力になりました。とてもいい思い出になりました」と観衆に感謝した。日本勢は川田朱夏(ニコニコのり)の2分03秒65(3位)が最高だった。