デル=ポトロ「幸せな気持ち」、ジョコビッチ「誰もが彼を愛している」引退試合で涙<男子テニス>
エキシビションマッチ
男子テニスで元世界ランク3位のJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)が『引退試合』と名付けたエキシビションマッチが日本時間2日(現地1日)にアルゼンチンのブエノスアイレスで行われ、N・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。試合はデル=ポトロが6-4, 7-5のストレートで勝利した。試合後のセレモニーでは涙を浮かべながら感謝を述べた。 【動画】デル=ポトロvsジョコビッチ 試合動画はこちら 2009年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)王者であるデル=ポトロは、2019年6月に右ひざを負傷しツアーを離脱。33歳となった2022年2月にはアルゼンチン・オープン(アルゼンチン/ブエノスアイレス、レッドクレー、 ATP250)にワイルドカードで出場し、1回戦でF・デルボニス(アルゼンチン)にストレート負けを喫した。その後は公式戦からは離れ、エキシビションマッチなどに度々出場している。 そのデル=ポトロも36歳となり、先月25日にインスタグラムにあげた動画内では今回行われるエキシビションマッチが最後の試合になることを明かした。 「今回は別れを告げるショーなんだ。もう後戻りはできない。最後の仕上げはジョコビッチだ。彼はとても寛大で、来ることを受け入れてくれた。僕としては、個人的な瞬間を超えて、彼と人々にたくさんの愛を注いでほしい。ジョコビッチには、アルゼンチンやアルゼンチンのファンとの最高の思い出を作ってほしい。せめて1時間でも、2時間でも、3時間でも、少しでも足に安らぎがあって、最後にテニスコートの中で何かを楽しむことができたら、それはとても素敵なことだと思う。そして、ノヴァーク(ジョコビッチ)と一緒に、たくさんの愛と愛情に包まれた素敵なひとときを過ごし、あの夜のいい思い出を彼らに返すことができれば最高だね」 そのデル=ポトロとジョコビッチは満員の観客の前で2セットをプレー。全盛期のサーブスピードや強烈なフォアハンドとはならなかったが、長身と長い腕から繰り出されるショットは未だ健在。最後はフォアハンドウィナーを決め勝利した。 会場にはD・シュワルツマン(アルゼンチン)やF・セルンドロ(アルゼンチン)、そしてサッカー界からはカルロス・テベスらも訪れているなか、ジョコビッチとデル=ポトロがそれぞれコメントした。 ジョコビッチはスペイン語で「最近、僕はフアン・マルティンをより身近に感じているんだ。彼を愛していない人を僕は知らない。誰もが彼を愛している。僕ら全員の模範になる存在なんだ。彼の人生における最大の勝利は、彼が素晴らしい人間であるということだ」と語った。 続けてデル=ポトロは「僕が悲しんでいないことを知っていてほしい。たとえ泣いたとしても、幸せな気持ちで旅立つことを約束するよ。この数年間、本当にありがとう」と言葉少なながら静かに語り掛けた。 セレモニーではR・ナダル(スペイン)やR・フェデラー(スイス)、C・アルカラス(スペイン)らのビデオメッセージも流れた。