日産とホンダの統合協議、鴻海の買収意向で加速か-ルノーは前向き
(ブルームバーグ): 日産自動車とホンダによる経営統合も視野に入れた協議は、台湾の鴻海精密工業が日産に株式取得を打診したことで加速したようだ。事情に詳しい関係者が明かした。
スマートフォンの受託生産で急成長した鴻海は電気自動車(EV)製造参入も進めており、世界各地の拠点で自動車生産ラインの設置を進めている。経営不振で大きく下落している日産株を取得すれば、自動車製造のノウハウなどを取得できる可能性がある。
ホンダと日産は合併に関する予備的な協議を行っていると、協議が非公開であるため匿名を条件に関係者が明かした。三菱自動車が加わる可能性もあるとしている。協議は初期段階で、合意に至らない可能性もあるという。ホンダの青山真二副社長は18日、日産自動車との経営統合など含めてさまざまな選択肢を検討しているとコメントした。持ち株会社設立についても検討しているのは事実とも述べた。
TBSは、経営統合の協議入りについて、両社が23日にも正式に発表する見通しだと報じた。
非公開の情報であることを理由に匿名を条件に話した関係者の一人は、鴻海が関心を持っているのは工場などの設備だけではなく会社全体だと述べた。日産が交渉に応じたかや拒否したかなどについては明らかになっていない。鴻海による日産へのアプローチについてはダイヤモンド・オンラインが先に報じていた。
日本経済新聞は、鴻海が日産に興味を示したことで、台湾企業による買収の可能性を懸念した日産がホンダとの合併に向けた動きを加速させた、と報じた。
日産の広報担当者はコメントを控えた。鴻海の代表者は、今のところコメントしていない。
日産株は18日の東京株式市場で前日比24%と、ブルームバーグの記録に残る1974年以来の急騰を見せた。2018年後半にカルロス・ゴーン前会長が逮捕されて以降、日産の株価は7割近く値下がりしている。ホンダの株価は3%下落し、およそ1年ぶりの安値で取引を終えた。