日産とホンダの統合協議、鴻海の買収意向で加速か-ルノーは前向き
米国市場でも、日産自動車の米国預託証券(ADR)が18日の取引で一時20%上昇し、取引時間中として1998年以降で最大の上げとなっている。日産のADRは前日も11%高。この日と合わせ、2日間の上昇率は30%を超える。
苦境
日産は足元で業績が急速に悪化し、11月に生産能力の削減や9000人のリストラを行うと発表した。魅力に欠ける商品ラインナップは消費者の人気を失い、世界全体での生産の20%削減する計画も示した。
それ以来、日産の株式を買い集めるアクティビスト(物言う投資家)を含め、さまざまな企業が日産を取り巻いている。ホンダの時価総額は日産の4倍以上だが、生産台数は日産よりわずかに多い程度だ。ホンダは経営統合を含めさまざまな選択肢を検討しているとしているが、交渉では優位に立つことが予想される。
ルノーは前向き
日産や三菱自の長年にわたる提携相手で、日産株の36%を保有する筆頭株主である仏ルノーの対応も、今後のあらゆる合意において鍵となる。事情に詳しい関係者によると、ルノーは今回の交渉を、日産が苦境から脱する可能性があるとして、前向きにとらえているという。
事情に詳しい複数の関係者によると、ルノーは日産に資金を投入するつもりはなく、同社が自ら経営強化策を見いだすことを強く望んでいる。この関係者らは、ルノーは日産を強化するような取引には原則として前向きだが、自社の利益を守るという観点から、日産に対する提案は全て慎重に評価すると述べた。また、日産とホンダの協議はまだ初期段階にあるとも指摘した。
業界再編
ホンダと日産が手を組めば、トヨタ自動車と戦える規模感の企業が誕生し、世界的な競争に打ち勝つためのより有利な立場を得ることになる。また日本の自動車業界は実質的に2つの主要グループに集約される。1つはホンダ、日産、三菱自動車によるグループ、もう1つはトヨタ自動車と、同社が資本参加するSUBARU(スバル)、スズキ、マツダによるグループだ。