コインランドリー競争激化!異業種の参入相次ぐ背景は?【WBS】
まとまった数の衣類や、布団など大型の洗い物がある時に活躍するのが、コインランドリーです。共働き世帯が増えたことなどを背景に、店舗数も年々増加していますが、それに伴って、競争も激しくなっています。業界大手による最新型洗濯機の開発や、異業種の参入など、熱を帯びるコインランドリー業界を取材しました。 12月7、8日に横浜で開催された「国際コインランドリーEXPO」。31の企業や団体が参加する国内唯一のコインランドリーのビジネス展示会です。 大型コインランドリー機器でトップシェアを誇る「トーセイ」のブースに展示されていたのは、来年の2月に発売される最新式の超大型乾燥機。容量が従来の乾燥機の1.5倍以上になっていて、これまで難しかった布団のふっくら仕上げを可能にしています。 「今までの25kgぐらいのサイズだと中で回ることはするが、ふっくらさせる復元までいかなかった」(「トーセイ」の塚本広二執行役員) 一方、こちらの乾燥機「リフレッシュスチーマー」は大量のスチームを15分間放出し、布団の中綿まで吸引します。敷布団のほか、マットレスやじゅうたんなどのダニを高温の蒸気で取り除きます。さらにキャッシュレス決済システムなどデジタル技術を活用した機器の展示も目立ちました。
この20年ほどで店舗数が倍近くに増えたコインランドリー。背景について、業界誌「ランドリービジネスマガジン」の前澤優希編集長は「大手事業者の参入が増えてきて、人件費をかけずに新しいビジネスと考えた時に、コインランドリーが入ると聞いている」と話します。 実は異業種からの参入も増えています。全国にガソリンスタンドを展開する「エネオス」もその一つです。3年前から地方のスタンドの敷地内にコインランドリーを設置する「エネオスランドリー」を展開。これまで全国に64店舗を設置してきましたが、今月初めて都内でもオープンさせました。 「千歳船橋SS」では一般家庭の2倍の容量となる大型を含めて、洗濯機の数は4台。そして乾燥機が7台。さらに、スニーカー専用の設備まで用意しました。 「そもそもSS(サービスステーション)は、地域の客の生活道路や幹線道路沿いに位置し、敷地もある。ランドリーを利用しやすい環境になる。相互にこれは差別化ができる」(「エネオス」の鈴木慎一さん) 「千歳船橋SS」では今月1日のオープンから6日で38人が利用したといいます。車のEV化が進む中、ガソリンスタンドの新たな収益源として期待を膨らませます。 「モビリティとライフサポートの2軸で考えている。人手もかけず、相応に収益が見込めるもの。コインランドリー事業は、人材不足を打破するためにも有効な施策であるとは捉えている」(鈴木さん)