西海市、「kintone」と生成AIで年間2000時間以上の業務削減効果を実現
長崎県西海市は、サイボウズのノーコード/ローコードツール「kintone」を基盤として、生成AIを全庁に導入し、業務効率化を実現した。サイボウズが発表した。 同市では、かつて一般用途向けの生成AIを導入したものの、答弁書作成などの特定分野に特化した回答の生成ができず、職員が自治体業務で十分に活用しきれない状況だった。そこで、西海クリエイティブカンパニーが提供する自治体向けAIサービス「ばりぐっどくん」を、kintoneの基盤上で利用できるようにした。kintoneを基盤とすることで、利用しやすいユーザーインターフェース(UI)を実現できる。ばりぐっどくんは、同市が公開している過去の情報を追加学習するため、同市の業務に合ったより精度の高いアウトプットが可能だという。 同市は議会答弁書の作成補助や、画像内の文字起こしなどの業務にばりぐっどくんを活用し、年間2072時間の業務削減効果を生み出した。同市では約9割の職員がkintoneと生成AIの有効性を実感しており、部署、役職を問わず、幅広く活用しているとしている。 現在、同市では両備システムズが提供する「R-Cloud Proxy for kintone」を利用してkintoneにアクセスし、ばりぐっどくんを活用している。LGWAN-ASP経由でkintoneにアクセスすることで、安全な利用環境を確保した。 同市が活用しているばりぐっどくんは、用途ごとにソリューションが展開されている。さまざまな文章の要点をまとめる「要約ばりぐっどくん」や、音声ファイルからテキスト化する「音声文字起こしばりぐっどくん」、紙媒体の情報をテキスト化する「画像文字起こしばりぐっどくん」などがある。 例えば、議会答弁書作成においてkintoneで質問を入力し「回答スタート」ボタンを押すだけで、過去の議事録などの公開情報を活用して生成AIが回答を返すという。kintoneを介すことで生成AIが作成した内容を編集できるほか、kintoneのコメント欄を活用し、他部署のメンバーと情報共有やディスカッションが可能だという。