面会交流の別れ際に泣きじゃくる娘…シングルファザー住職が明かす最も孤独を感じる瞬間
要するに、世の中の父親は、奥さんにまだまだ甘えているのだろう。仕事は男性が、そして、育児と家事は女性が行うという旧習から、完全には抜け出せていないのだろう。 恥ずかしながら私だって、離婚していなければ、おそらくは妻にすべてを任せていた。ママ友たちと盛んにLINEを交わす居心地の悪さの中で、相変わらずジェンダーギャップ指数が低い日本の育児の現実を知ることができたのは、貴重な経験であった。 ● シングルファザーが最も辛い 別れた妻と子供の面会交流 世の中のシングルファザーがどうしても悩むのが、子供たちの「お母さんと会いたい」願望ではないか。私の中でのシングルファザー生活「辛い時間ランキング」の堂々第一位は、子供たちと元妻との面会交流の時間であった。もちろん、別れた相手と会うのが心苦しいのは、シングルファザーもシングルマザーも同じはずだが、シングルファザーのほうがはるかにメンタルが削られるのではないかと思っている。
離婚前、当然のことながら妻は「定期的に子供と会わせてほしい」と言った。うちの場合、娘が小学2年生、息子が幼稚園年長の時に離婚したから、お母さんの顔をしっかり覚えている。特に娘のほうは「次はいつ会えるの?」としょっちゅう聞いてくる。 私も、妻とそして何より子供の心情を考えると、「お母さんと子供が会う時間は定期的にあったほうがいい」と思った。ネット上で調べてみても、「離婚しても子供の心を守るために、定期的に会う機会を持ちましょう」と書かれている。それを鵜呑みにして、月に1回ぐらいの頻度で会わせるのがいいかと信じ込み、離婚して1年ぐらいは無理してそれぐらいのペースを保っていた。 会える日が近づいてくると、「今度の週末、お母さんに会えるよ」と伝える。子供たちはその瞬間からウキウキが止まらないのだろうが、正直に言うと、私はその分だけ心がザワザワしてしまう。 「君たちのご飯はお父さんが作ってるんだぞ」「お父さんが居なかったら生きていけないんだぞ」と大声のひとつもあげたくなるが、気持ちよく会わせてあげたいから、大人らしくグッと我慢する。しかし、私のそんな気などまるで知らないで、待ちに待ったその日が来たら、もうお祭り騒ぎである。