「日銀が利上げ、なのに円安が進んだ…」ローンはどうなる?いまさら聞けない「金融政策」 基本から知りたい、に答えます…経済のあらゆる「モヤモヤ」、記事と音声で
日本銀行が金融政策を抜本的に転換し、17年ぶりに政策金利の引き上げ、いわゆる利上げに踏み切りました。ところが円安には歯止めがかからず、ただでさえ厳しい庶民の台所事情は今後どうなるのでしょうか。住宅ローンの金利の行方も気になります。いまさら聞けなかったり、とっつきにくかったりする経済のことを「キホンのキ」から取り上げる共同通信ポッドキャストの番組「モヤモヤ経済クリアファイル」から、ダイジェストで紹介します。一緒に「モヤモヤ」を解消しませんか。(共同通信=松尾聡志) 「株価は上昇基調、だけど…」いまさら聞けない「新NISA」基本から知りたい、に答えます…
※記者がポッドキャストでも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴きください。 ▽日銀は「物価の番人」 まず日銀の役割をおさらいしましょう。日銀は世界各国・地域にある中央銀行の一つです。重要な仕事はモノやサービスの価格(物価)を安定させることです。社会科の授業で習ったと思いますが、「物価の番人」の異名を取ります。民間の銀行からお金を預かったり、紙幣を刷ったりする仕事もしています。 なぜ物価の安定が重要なのかというと、世の中の経済の景色(景気)と密接な関係があるからです。物価下落(デフレ)が続くと企業の売り上げが減り、賃金の引き下げや人員削減といったリストラにつながります。物価上昇(インフレ)も行き過ぎると問題で、高くて買えない人が増えて結果的に企業の業績が悪くなり、景気は落ち込んでしまいます。 ▽世の中の金利を下げるのは金融緩和策 日銀が物価をコントロールする際に使うのが金融政策です。日銀は長い間、金融緩和政策を取っていました。金融緩和は国民がお金を使いやすい状態、世の中をお金が回るようにする政策です。マンションを購入する場合を想像すると分かりやすいのですが、ほとんどの人は銀行から住宅ローンとしてお金を借りますよね。借りた元金に追加して支払うお金(金利)は低い方がいいわけです。ヤミ金融のような高金利の業者からしか借りられないとしたらマンションを買うのは難しい。日銀は世の中の金利が低くなるよう誘導し、モノやサービスが売れて景気が上向くよう後押ししてきたのです。