「日銀が利上げ、なのに円安が進んだ…」ローンはどうなる?いまさら聞けない「金融政策」 基本から知りたい、に答えます…経済のあらゆる「モヤモヤ」、記事と音声で
日銀が利上げしたことで、多くの人が関心を寄せる住宅ローンの金利はどうなるのでしょうか。住宅ローンは大きく分けると固定金利型と変動金利型があります。一定の期間または完済するまで金利が変わらないのが固定型、半年ごとに見直されるのが変動型です。 固定型ローンの金利は大手銀行が手がける10年固定タイプで1%以上がほとんど。固定金利は長期金利に連動しています。長期金利は国内外の投資家が参加する債券市場の取引で決まっています。言い換えると、市場参加者が金利の先行きをどうみているのかが鍵となります。日銀が政策金利をさらに引き上げる(追加利上げ)という観測が高まれば長期金利は上がり、それに伴って固定型ローンの金利も上がると考えられます。もちろん既に借りている人は固定されている期間の金利は変わりません。 ▽変動金利の上昇は日銀の追加利上げが条件 変動型ローンの金利は競争が激しいこともあって0・3%前後です。変動金利は、『短期プライムレート』を参考にしています。このレートは、業績が良い、財務内容が良い優良企業に銀行が融資する際に適用される金利のことです。
短期プライムレートは日銀の政策金利と連動しているので、日銀が実質的にコントロールしているものです。 日本で既に契約されている住宅ローンのうち変動型が7割を占めるといわれます。仮に変動金利が0・1%上がると、3500万円を35年ローンで借りた場合の返済総額は70万円ほど増えると試算されています。年間で考えると2万円ほどですが、70万円あれば家族でハワイ旅行ができそうなので、やはり返済額が増えるのは悩ましいですよね。 変動金利も上がることが避けられないと思いますが、急激に、大幅に上がったらローンを返済できなくなって生活が破綻する人が続出するかもしれません。個人的には日銀がそんな事態を招くようなことはしないと思いますし、実際、植田総裁は「緩和的な金融環境を続ける」と説明しています。変動金利が上がるとすれば、少なくとも日銀が追加利上げをすることが条件となりそうです。 ▽34年ぶりの円安に