澤村拓一が条件アップでレッドソックスと契約目前…2年3億1600万円、3年目オプションで総額8億円
ロッテから海外FA権を使いメジャー移籍を目指している澤村拓一(32)とレッドソックスとの正式契約が目前に迫り、その契約内容が明らかになった。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者やMLBネットワークのジョン・ヘイマン記者ら複数のメディアが速報で報じたもの。2年300万ドル(約3億1600万円)、3年目はオプションで、複雑なインセンティブがついており、すべてをクリアした場合、総額765万ドル(約8億円)になるという。交渉過程で条件アップを勝ち取った模様で、オフのトレード情報に詳しい米メディアの「トレード・ルーマーズ」は「正式契約間近」と伝えている。 「澤村がレッドソックスと契約合意」と、MLB公式サイトなど複数の米メディアに報じられたのが5日前。しかし、その後、レッドソックスからの正式なアナウンスがなく、メディカルチェックなどに時間を要しているものと考えられていたが、実は、水面下でさらなる交渉が進んでいた。 この日、オフにスクープを連発する敏腕記者のローゼンタール記者が、「澤村がレッドソックスと交渉」としてツイート。「2年で300万ドル(約3億1600万円)で3年目はオプション。すべての条件をクリアした場合にボーナスを含めて3年で総額765万ドル(約8億円)」と交渉の内容を明かし「(3年目の球団)オプションは条件付きで複雑」とした。 10日に一報が報じられた際には、2年240万ドル(約2億5000万円)+インセンティブとされていた。 「買い叩かれた」との声もある厳しい条件だったが、その後の交渉で澤村サイドがさらなる譲歩を引き出したと見られる。 過去に現西武の松坂大輔や上原浩治氏らが所属していたレッドソックスはワールドシリーズ9度優勝を誇る名門。2018年に世界一となったが、昨年はア・リーグ東地区の最下位に低迷した。投手陣の立て直しが急務で、特に5.79(リーグ14位)の救援防御率しか残せなかったブルペンの補強が求められていた。 クローザーはナックルカーブを武器とするマット・バーンズで、昨年の成績は、防御率4.30、1勝3敗9セーブ。セットアッパーには元広島のライアン・ブレイシアらがいて、この1月にはトレードでライバルのヤンキースからアダム・オッタビーノを獲得したが、まだブルペン強化は万全とは言えなかった。そこで前出の「トレード・ルーマーズ」が「156キロに達するストレートに、メジャーで通用する勝負球であるスプリット、スライダーを持っている」と評価している澤村をなんとしても獲得するために契約条件を譲歩したのだろう。 「複雑なインセンティブ」の内容は明らかになっていないが、それらをクリアすれば澤村は3年目もレッドソックスでプレーできることになる。 澤村は、昨年途中にトレードで巨人からロッテに移籍。セットアッパーとして22試合に登板して防御率1.71、0勝2敗、1セーブ、13ホールドの成績を残してチームのクライマックスシリーズ進出に貢献した。150キロ台のストレートに150キロ台の超高速スプリットを織り交ぜて、21イニングで29三振を奪い、パワー野球のパ・リーグでも存分に力を発揮したが、オフに「憧れと夢がある」と、長年の夢であったメジャーリーグ移籍を希望して海外FA権を行使した。ジョン・ボッグス氏を代理人に立て、自らも渡米して交渉を進めていたが、複数のオファーの中からレッドソックス1本に絞って最後の詰めに入っていた。 メジャーのバッテリーキャンプが目前に迫っていることもあり、早ければ一両日中にも正式合意に至ると見られている。