【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第9ステージ】アダム・イェーツが前半戦の最難関で逃げ切り優勝…カラパスが総合3位に急浮上
第79回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月25日、開幕からの9日間の締めくくりとなる第9ステージが行われ、UAEチームエミレーツのアダム・イェーツ(英国)が2位に1分39秒差をつける独走で大会初優勝。第6ステージで首位に立ったデカトロン・AG2Rラモンディアルのベン・オコーナー(オーストラリア)が区間3位でボーナスタイム4秒を獲得。総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とのタイム差を3分49秒から3分53秒に広げた。 【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第9ステージ|Cycle*2024
タデイ・ポガチャルを擁してジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを連覇したUAEチームエミレーツは、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)とアダム・イェーツをツートップに起用してグランツール全制覇を目指していた。ところが前日、アルメイダが4分53秒遅れの60位でゴールし、総合3位から9分06秒遅れの26位に陥落した。そしてこの日、アルメイダはコロナ罹患が判明して出走せず。9分27秒遅れの総合27位と低迷しているアダム・イェーツがなんとかしなくてはならない状況に追い込まれていた。
大会9日目、8月25日の第9ステージはモトリル~グラナダ間の178km。シエラネバダの山岳を走るルートで、カテゴリー1級の山岳が2つあり、2つ目の峠は2度上る。獲得標高は今大会で2番目に多い4370m。今大会のクイーンステージの一つである。最初のエル・プルチェは距離8.9km、平均勾配7.6%、最大勾配17%。2度上るアサリャナスは距離7.1km、平均勾配9.5%、最大勾配20%というから恐ろしい。
1回目の休息日を前にして、攻撃を仕掛けようとする選手たちのモチベーションが高まっていた。舞台は過去の大会でも激しいバトルが展開されたシエラネバダ山脈だ。ポイント賞ジャージを着用するヴィスマ・リースアバイクのワウト・ファンアールト(ベルギー)、グルパマ・FDJのエースながらここまで際立ったアピールができていないダヴィド・ゴデュ(フランス)、そしてツートップの一翼を失ったUAEチームエミレーツのアダム・イェーツらが勝負を仕掛けた。 口火を切ったのはファンアールトだ。すぐに多くのアタッカーがその動きに乗った。ジェイ・ヴァイン、アダム・イェーツ、マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)、オスカル・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)、カスパー・アスグリーン(ティーレックス・クイックステップ)、パトリック・コンラッド、マティアス・ヴァチェク(リドル・トレック)、クインテン・ヘルマンス、クサンドロ・ムーリッセ(アルペシン・ドゥクーニンク)、ヨナス・グレゴー(ロット・デスティニー)、ゴデュ、シュテファン・キュング(グルパマ・FDJ)、ダレン・ラファーティー、ジェームズ・ショー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ネルソン・オリヴェイラ(モビスター)、トースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス)、フェリックス・エンゲルハート、クリス・ハーパー(ジェイコ・アルウラー)、マックス・プール(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)、ルーベン・フェルナンデス、ヘスス・エラダ、ヨナタン・ラストラ(コフィディス)、パブロ・カストリーリョ、パウ・ミケル(エキポケルンファルマ)ら26人が第1集団を形成した。
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