【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第9ステージ】アダム・イェーツが前半戦の最難関で逃げ切り優勝…カラパスが総合3位に急浮上
このなかで総合成績の上位はゴデュが6分30秒遅れ、アダム・イェーツが9分27秒遅れ、プールが10分8秒遅れ。この第1集団に選手を送り込んでいないデカトロン・AG2Rラモンディアルとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが第2集団の先頭に立ってタイム差を管理する役目を負った。
残り90km、その日最初の山岳であるエル・プルチェの麓で、EFエデュケーション・イージーポストのリチャル・カラパス(エクアドル)が第2集団から飛び出して、5分前を走る先頭をたった1人で追いかけ始めたのである。レースはこの動きをきっかけに一気に活性化した。
先頭集団ではソレルが猛烈なペースで走り始め、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエの追い上げに抵抗する構えを見せた。エル・プルチェの頂上はゴデュが先頭で通過。カラパスは2分35秒差まで追い上げていて、第2集団は5分差でここを通過した。
2度上りのアサリャナスでさらに戦いは激しさを増した。1回目の登攀で、ヴァインがさらにハードルを上げた。このオーストラリアのヒルクライマーに続くのは、チームエースのイェーツとゴデュだけになった。
イェーツは頂上まで5km、フィニッシュまで残り58.5km地点で単独になった。カラパスは第1集団にいたカストリーリョとともにゴデュとヴァインに追いつくが、イェーツまでは捉えきれない。イェーツは2分50秒リードして2度目の上り坂に突入。この時点でメイン集団は6分40秒遅れだ。
独走のイェーツを追って、エンリク・マス(モビスター)が頂上から約6kmの地点でアタック。パヴェル・シヴァコフ(UAEチームエミレーツ)だけが追撃を試みるが、マスについていけなかった。マスは頂上総合優勝争いの他選手との差を1分に広げていた。
総合3位の位置にいるマスはさらに順位を上げていきそうな展開となったが、グラナダに向かう下り坂でバイクコントロールを失った。幸いにも落車は回避したがコースアウト。結局、ログリッチらの有力選手は残り1kmでマスに追いつき、ゴデュも同様に捉えた。ログリッチが捕まえることができなかった上位選手は総合18位の位置にいるカラパスだけだった。
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