平川真子が参加のWRCトレーニングキャンプがスタート。第12戦CERでのラリー3出走権獲得目指す
9月16日、WRC世界ラリー選手権が行っている公式育成プログラム『ビヨンド・ラリー女性ドライバー育成プログラム』の、計3日間のトレーニングキャンプがポーランドにあるMスポーツ本社にてスタートした。 【写真】WRC公式『ビヨンド・ラリー女性ドライバー育成プログラム』に参加する平川真子 このトレーニングキャンプには、世界中から選出された15人が集結しており、日本からも、現在は全日本ラリー選手権やKYOJO CUPで走る平川真子が参加。来月、10月17~20日に行われる第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)/ターマック(舗装路)にて、用意されるフォード・フィエスタ・ラリー3の3つのシートにふさわしいかどうかを証明するために、さまざまな審査を目的としたプログラムを受けている。 世界13か国から集まったさまざまなバックグラウンドを持つ選手らは、運転技術やメカニカルに関する知識、メディアでの存在感など幅広い面で選手としての素質が試される。参加者は、実践および理論的な技術や知識を始めとして、ターマック(舗装路)やグラベル(未舗装路)の両方の路面での運転技術の重要な評価まで、一連の課題に挑むこととなる。 その結果選出された3人は第12戦CERにラリー3で出走し、そこからさらにひとりのドライバーが選ばれ、シリーズによって完全にサポートされた2025年FIAジュニア世界ラリー選手権プログラムに出場することができる。 今回の、トレーニングキャンプをはじめとした育成プログラムでは、2023年FIAジュニアWRCチャンピオンのウィリアム・クレイトンや2度のノルウェー・ラリーチャンピオンであるエイビンド・ブリニルセンなどが運転評価を先導し、2022年WRC2コドライバーズチャンピオンのリータ・ハマライネンがペースノート、レッキ、レギュレーション評価を監督する。 さらに審査員は、FIA女性モータースポーツ委員会の議長であるブルク・チェティンカヤ、FIA WRCラリー委員会の会長であるペルニラ・ソルベルグ、Mスポーツ・ポーランドのマネージング・ディレクターであるマチェイ・ヴォーダ、元WRCドライバーのイゾルデ・ホルダーリード、WRCプロモーターのスポーツ担当シニアディレクターであるピーター・トゥールで構成され、中央ヨーロッパラリーに出場する3人の出場者を選ぶ責任を持つ。 次のステージに進み、フォード・フィエスタ・ラリー3で第12戦CERに出場するチャンスを得た3人の出場者は、9月18日(水)の夜に発表される予定となっている。 こうした公式育成プログラム『ビヨンド・ラリー女性ドライバー育成プログラム』に参加している平川は、シリーズ公式サイトのWRC.com上で選手単独の紹介記事が掲載されており、15人のなかでも注目される選手のひとりとなっている。 平川は広島県出身の27歳で、18歳からレーシングカートをはじめ、2018年にKYOJO CUPで四輪レースデビュー。2022年からは全日本ラリーに出走し、レーサーとしてキャリア7年目を戦っている。第3戦久万高原ラリーでは、トヨタ・ヤリスをドライブしてJN-5クラスを戦い、表彰台目前の4位フィニッシュを果たすなど着実に実力を伸ばしてきている選手のひとりだ。 そして、現在WEC世界選手権でトヨタのレギュラードライバーとして戦い、F1ではマクラーレンのリザーブドライバーを務めている平川亮の妹でもある。 今回平川はWRC公式のインタビューに、自身のキャリアの紹介や現在最高峰クラスでTOYOTA GAZOO Racing WRTから出走している勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)から受ける影響、トレーニングキャンプへの意気込みをコメントしている。 ●平川真子 WRC公式インタビューコメント全文 「私は幼い頃からサーキットレースを始めました。ですが、父がラリーを始めたときに私も始めることにしたんです」 「WRCでは、勝田さんが活躍しているのを見るとワクワクします。彼が日本人ドライバーとしてWRCに出場していることは、他の日本人ドライバーに多くの勇気と興奮を与えていると思います」 「私の兄(平川亮)は勝田選手と友達です。なので、彼が日本に来たときはラリーについて話すこともありますし、細かいことやアドバイスを求めるというよりもこのスポーツについての話をしたりします」 「また、彼は私と同じように、サーキットレースからキャリアを始めてラリーに転向し、今ではとても人気者になっています。なので、彼は私のロールモデルです」 「私はほぼ毎日のようにペースノートを確認しては、それを書いたり、オンボードビデオを見たりしてイメージトレーニングを進めています。これが私の性格なので、目標を達成するために毎日少しずつ進んでいくことはまったく苦になりません。今回左ハンドル車で走るのは初めてなのでもちろん緊張はしますが、この機会を活かしていろいろなことを学びたいです。キャンプではベストを尽くします」 [オートスポーツweb 2024年09月17日]