サス調整の基本はサグ出し。バネ荷重を体重に合わせてサスを活かすのだ
サグ出しのための準備
まずは必要工具なんだけど、工具は大して要らない。 メジャーとか物差しとかのサス長を測る道具と、イニシャル調整するための工具があればOK。 他に準備としては、前後タイヤを浮かす準備。バイクによってはそこの敷居が高いかも。サスが伸びた状態を計測するのでレーシングスタンドであげると正確な数値が出ないのよ。 ハンターカブならセンタースタンドがついてるから楽勝。アンダーガードついてるから、オフ用のスタンドに乗っけちゃっても良いけど、センタースタンドで十分いける。 さて、ここからが敷居の高いとこなんだけど、サグ出しって1人だと出来ないのよ。最低2人、可能なら3人いれば安心。 なんで人数が必要かというと、「ライダーが両足をステップの乗せた状態で乗車(1人目)」した状態で、「サスの長さを計測(2人目)」する必要があるから。そのときに「バイクを支える人(3人目)」がいると安心。 今回は2人でやったので、バイクを支えつつサスの長さを計測してもらったよ。正直ちょっと大変そうだったので3人推奨。
まずは前後タイヤが浮いた状態でサス長を測ろう
巻尺をもってダートフリークにやってきたよ。 教えてくれるのは、フロントフォークトップキャップ イニシャルアジャスターの開発担当でもあるダートフリークの石原さん。大手サスペンションメーカーでの開発経験もあるサスのプロ。今日は宜しくお願いします。 ダートフリーク 石原さん「よろしくおねがいします」 まずはサグ出しの流れを教えてください。 ダートフリーク 石原さん「サグ出しに必要なのは数値計測です。タイヤが浮いた状態でのサス長、ライダーが乗車した状態でのサス長さを測ります。その数値の差がスプリングが一番縮んだ状態の長さ(ホイールトラベル)の1/3くらいになるように調整します」 なるほど、こういうことですね。 イニシャルをいじって「ライダーが乗車したときのスプリング長」を調整。それを繰り返してAの数字をBに近づける、という感じであってます? ダートフリーク 石原さん「そういう感じです。今回は1/3でサグ出しをしますが、場合によっては、2/3とか50%に近づける場合もあります。ただ50%は越えないようにしてください」 色々考えるとややこしくなるので、1/3でお願いします! ダートフリーク 石原さん「では、まず最初に前後タイヤを浮かせた状態でサスの長さを測りましょう」 かしこまりました! こうですね! ところでスプリングの長さを測るって、リアはわかりやすいですがフロントはどこを測れば良いんですか? ダートフリーク 石原さん「浮いた状態と乗車時の差を取るだけなので、一定の位置で測ればどこでも大丈夫ですよ。今回はトップブリッジ上端とフォークブーツ下端で計測しましょう」 ダートフリーク 石原さん「フロントはトップブリッジ上端からフォークブーツ下端で約446mmですね。リアはスプリング長で測って約218mmでした。フロントのホイールトラベルってわかりますか?」