【主要CVS4社の24年度上期決算】日販でセブン苦戦、客数減への対応図る、ファミマ、ローソンは過去最高日販で前年比では明暗別れるも、“セブンは依然大差で1位”と強さ際立つ
〈ローソンは増収増益、マーケティングや改装などで売上伸長〉
ローソンの単体業績は営業総収入が3.2%増、営業利益が3.6%増と増収増益。連結(IFRS基準)での営業利益・純利益は過去最高を更新した。約2年半継続している「ハピろー!」などさまざまな切り口でのマーケティング施策や、店舗理想形改装効果などで既存店売上高が伸長した。竹増貞信社長は「インフレで生活防衛意識が高まっているが、それでは楽しさがない。単に値段を下げるのはなく、わざわざリアル店舗でする買い物は楽しい・ワクワクが必要だ」と強調する。 9月からはKDDIと三菱商事の共同経営となり、「Global Real × Tech Convenience」を掲げさまざまな施策を実行。具体的には、7月に全店導入完了した新発注システムによる顧客満足と加盟店利益の最大化や、デリバリー事業効果、店舗や本部のオペレーションDXなどを進め、2030年度に30%以上のオペレーション効率化達成を目指す。
〈ミニストップは特殊要因で増収減益、3年ぶり赤字〉
ミニストップの単体業績は、営業総収入は直営店増加と既存店日販の伸びもあり8.8%増と大きく伸びたが、営業利益は21年度以来3年ぶりに赤字に転落した。藤本明裕社長は「本来であれば経営指導体制がPS(パートナーシップ)契約の移行に先行すべきところ、その遅れとPS契約店舗の構成比拡大との時差が掛け算として負のインパクトとなり、結果として直営店の増加と質の低下、PS契約店舗の収益力低下を招いた。そして直営店の質の低下がさらなる経営指導の遅れにつながった」と話す。 宮崎剛専務によれば、2021年度に開始したPS契約店舗のうち複数店経営者に対しては支援付き契約店舗というメニューがあり、一定の条件を割り込むと本部から支援が入るという。通常契約に戻すまでの年限も決まっており、それに向けて経営努力を互いに進めていく。その間本部は効果的な指導をして店舗の状態を好転させる必要があるが、その指導体制の遅れがあったという。 その支援付き契約の条件を23年度から厳しくしたことで、直営店舗の増加を招き、さらに人手不足の問題があり、加盟店が経営を断念して直営化するケースもあるほか直営店も人材難に陥り、運営レベルに問題を抱え収益力が低下してしまったという。
食品産業新聞社
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