ドーハ世陸100mで本気出さず10秒09で予選通過のサニブラウンは日本人初のファイナリストになれるのか?
ドーハ世界陸上が27日、現地で開幕、大会初日には男子100m予選(6組3着+6)が行われ、日本勢からは、期待の“9秒台トリオ”が出場した。予選からハードな戦いになり、桐生祥秀(日本生命)は4組で、10秒18(-0.3)の4着、小池祐貴(住友電工)は5組で10秒21(-0.3)の4着、サニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大)は6組を10秒09(+0.1)で3着。サニブラウンは着順で準決勝へ進んだものの、桐生と小池は着順では通過できず、プラスの枠で拾われた。 男子100mは、この日の18時05分から予選、大会2日目の18時45分から準決勝、同22時15分に決勝というスケジュール。桐生と小池は準決勝にピークが来るように調整をしているが、予選の走りを見る限り準決勝の突破は簡単ではないだろう。 決勝への期待が最も高いのは9秒97の日本記録を持つサニブラウンだ。2年前のロンドン世界陸上は予選2組を10秒05(-0.6)でトップ通過しながら、準決勝は10秒28(-0.2)で7着。スタート直後にバランスを崩して、大きく出遅れた。レース後には、「盛大にやらかしました」と悔しそうな顔を見せていたのが印象的だった。 今回はというと、予選は10秒09(+0.1)の3着通過で、前回ほどのインパクトはない。9秒79の自己ベストを持つ優勝候補のクリスチャン・コールマン(米国)と同じ組に入り、隣のレーンになった。どこまで戦えるのか? と楽しみにしながらスタジアムで観戦したが、60m世界記録保持者に序盤で大差をつけられ完敗した。 ミックスゾーンに現れたサニブラウンは、「予選はあまり何も考えず、とりあえず通ればいいかなと」と話した。コールマンに対しても、「普通にスタートが速い選手なので特に気にせず、いないものだと思って走りました」と笑い飛ばした。 タイムについては、「適当に走ったわりにはいいんじゃないですか」と、気にしていない様子。世界選手権の舞台に立っている20歳の大学生とは思えないくらいの風格が漂っていた。 「調子はいいと思うので、準決勝で調子を上げて、決勝でもいい走りができればなという感じですね」 彼はまだ本気を出していない。