「無課金おじさん」が日本ライフル射撃協会の招待で来日「みなさまと交流できることに感謝」28年ロス五輪で引退へ
パリ五輪の射撃で「無課金おじさん」として注目を浴びたユスフ・ディケチ(トルコ)が3日、日本ライフル射撃協会に招待されて来日した。羽田空港で取材に応じ、「兄弟国の日本に来ることができてうれしい。これを機会に若い人が射撃スポーツに親しみを持ってもらいたい」と語り、「ロス五輪を区切りとして選手生活を続けたい」と、4年後に引退する意向であることも明かした。 【写真】どんなときも自然体の無課金おじさん 空港で神対応! 同種目の大会ではサングラスや、破裂音から耳を守るイヤーマフなどの専門的な装備を着用することが一般的だが、ユスフはTシャツだけのシンプルな姿でパリ五輪に出場し、混合エアピストルで銀メダルを獲得した。他選手との服装のギャップが話題となり、オンラインゲームで装備に課金しないことに例え、日本では「無課金おじさん」の愛称で親しまれた。 来日は2度目。1度目はコロナ禍で行動が制限された東京五輪時だったため、日本を満喫できなかった。今回は8日まで滞在し、強化指定選手への特別講習会や、栃木県で開催される親善試合に出場予定だ。 「みなさまと交流できること、町を見ることができるのを感謝している」と笑顔。パリ五輪ではエアライフル女子に出場した野畑美咲の12位が最高成績だった日本。“無課金の極意”を教わり、ロス五輪のメダル獲得で無課金おじさんの引退に花を添える。 ◆ユスフ・ディケチ 1973年1月1日、トルコのカフラマンマラシュ県出身。ジャンダルマの退役下士官を務める。中等教育を終えて進学した軍学校を卒業した後から兵役に就き、20代後半だった2001年から射撃を始めた。ガーズィ大学卒。パリ五輪では、団体10メートルエアピストルで銀メダルを獲得した。