アップルは「Vision Pro」を勝つまで続ける。ウルトラワイド対応とコンテンツ追加に見る本気
アップルは、空間コンピュータ「Apple Vision Pro」向けのアップデートとコンテンツ強化を予定している。 【全画像をみる】アップルは「Vision Pro」を勝つまで続ける。ウルトラワイド対応とコンテンツ追加に見る本気 まずは以下の動画をご覧いただきたい。 これは2024年内に公開予定のVision Pro向けOS「visionOS 2.2」の開発者向けベータ版で搭載された機能だ。 Macと連動し、ウルトラワイドディスプレイをあらゆるところに持ち運べる。 また11月15日からは、大物アーティスト「The Weeknd」(ザ・ウィークエンド)と組んで、オリジナルの没入型ミュージックビデオも公開する。 こうした機能やコンテンツがどんな意味を持つのか、Vision Proがどんな風に進化しているのかを解説してみよう。 なお、ベータ版は思わぬ不具合を含んでいる可能性があり、日常の利用は推奨しない。本記事内の画像・動画については、報道目的での許可を得て利用している。
仮想空間でウルトラワイド画面を活用
Vision Proは2024年2月にアメリカで発売され、日本でも6月に発売された。 価格が3500ドル(日本の場合59万9800円)からと高価であることから、販売数量自体は劇的には増えていないとみられている。 一方で、画質やMacとの連携については、利用者からも高く評価されている。 その中でも多くの利用者が待ち望んでいるのが、「Mac仮想ディスプレイ」機能のウルトラワイド対応。動画はその様子をキャプチャしたものだ。 Mac仮想ディスプレイとは、Vision Proの中にMacの画面を持ち込んで使えるようになる機能だ。 キーボードやタッチパッドはMac側のものを使って操作する。Mac側のディスプレイ表示は消え、画面はVision Pro内でのみ表示される。 発売当初よりある機能なのだが、4K相当の画面が空間の中に、鮮明かつ好きな大きさで表示できるのが特徴だ。 表示やキータイプの遅延はかなり小さく、ほとんど感じられない。本当にMacがVision Proの中にあるようなイメージだ。 MacとVision Proがあればどこでも大きな画面で作業でき、筆者も出張時などには便利に使ってきた。 2024年6月の開発者会議「WWDC」では、これが「年内にウルトラワイド対応する」とされてきた。 9月のvisionOS 2.0公開時には追加されていなかったのだが、今回開発者向けのテストバージョンに追加され、後日一般ユーザー向けにも拡大されることが確認できた。 利用するには、同様に開発者向けとして公開されている「macOS Sequoia 15.2 ベータ版」が必要。 すなわち、一般向けに公開される時には、visionOSとmacOSが同時期にアップデートされ、双方ともに最新バージョンにして使う必要があるということだ。 サイズは「標準」「ワイド」「ウルトラワイド」の3つ。細かい解像度や縦横比を設定する機能はない。 Vision Pro側のMac仮想ディスプレイウインドウの上部に切り替え用のメニューが用意される。 それぞれの設定は以下のような解像度になっている。 標準:5120×2880ドット ワイド:6720×2880ドット ウルトラワイド:10240×2880ドット Macの場合、標準では文字などをよりなめらかにするため、実質解像度はこの半分の解像度になる。 これはどんなディスプレイでも変わらない。ただし設定を変えれば、上記の解像度で使うこともできる。 どちらにしろ、縦方向は同じ解像度であり、横幅が変わる形と理解してもらえばいい。 縦横比は変わらないが、自分にどんなサイズに見えるかは自由に拡大・縮小して使える。もちろん、配置する場所も自由に変えられる。 標準・ワイドは平坦なディスプレイとして表現されるが、ウルトラワイドは端が少し手前に湾曲したものとして表現される。この曲率も決め打ちで変更はできない。