トレジアは単なるバッジエンジニアリングではなく、スバル独自の「味」がした【10年ひと昔の新車】
背の高いMPVから想像できないほど安定感のあるコーナリング
感心したのはレスポンスよくスムーズに回る1NZ-FE型1.5Lエンジンで、パフォーマンスはかなり高い。ただ、高回転まで回すと、エンジン音が騒がしくなるのは仕方のないところか。 1.3Lエンジンはアクセルペダルを踏み込んだときに非力で物足りなさを感じたが、1.5Lはそうした印象は受けない。ちなみに最高出力は、1.3Lが95psだが1.5Lは109psとなる。車両重量1100kgぐらいのクルマでは、この14psの違いが大きいということなのだろう。 1.5Lに標準装備(1.5iを除く)されるパドルシフトを使えばワインディングを攻めるのも楽しい。サスペンションを専用チューニングした「TYPE EURO」の足がしっかりと働いているので、コーナリングは背の高いMPVから想像できないほど安定感している。 さらにハンドルやシートから伝わってくるインフォメーションが多く、姿勢も安定しているのでハイスピード域でも安心して走り抜けることができた。 トレジアは、スバリストが納得できるスバルらしい走りが味わえる、そんなコンパクトカーに仕上がっていると言っていいだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:島村栄二)
スバル トレジア 1.5i タイプユーロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3990×1695×1585mm ●ホイールベース:2550mm ●車両重量:1110kg ●エンジン:直4DOHC ●排気量:1496cc ●最高出力:80kW(109ps)/6000rpm ●最大トルク:138Nm(14.1kgm)/4400rpm ●トランスミッション:CVT ●駆動方式:FF ●車両価格:183万2250円(2011年当時)
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