日銀・黒田総裁会見3月16日(全文3)非常に効果があると思っている
金額を明示した意味合いは?
日経CNBC:日経CNBCの直居と申します。ETFについて2問ございます。1つは今回、上限、これまで12兆円ということで、これまでの2倍の金額を明示されたわけですね。18年7月だったかと思いますけども、すでにこれについては弾力的にということを方針として示しているわけなので、あえて金額を明示したことの意味合い。つまり弾力的にという中でも増額は可能であったと思うので、その金額を明示したことの意味合いをあらためて教えていただけますか。これが1つ目です。 黒田:弾力的にですから6兆円の上にいったり下にいったり、それはマーケットの状況に応じてっていうことだと思うんですけども、今回は6兆円ペースを倍増して、2倍のペースでやっていく、それも当面。つまりマーケットのリスクプレミアムに働き掛ける必要がある限りやっていくということで、それはかなり大きなリスクプレミアムに働き掛けるという意味での金融緩和策だというふうに思っております。
日銀の保有額が大きくなり過ぎないか
日経CNBC:もう1つ、すいません。そのETFに関連して、先ほど弊害とかのお話の中で含み損の話が出ましたが、もう1つ別の観点で、ガバナンスをゆがめてないかとか、あるいはETFの市場の中で日銀の持っている保有額が大きくなり過ぎないか。これはかねて指摘されていたし、あるいは現状ではそこまでの規模ではないだろうというお話も伺っております。ただ、規模が増えてくることで、あらためてこういう問題も意識されるということではないでしょうか。 黒田:その点については、もちろんどんどん規模が大きくなっていったらどうなのっていうことはありうるとは思うんですけども、ご承知のように、時価総額で言えば東京の市場の5~6%っていうところですので、マーケットの株価水準に具体的に影響を与えようという話ではなくて、あくまでもリスクプレミアムに働き掛けて、株式市場が従前の機能を果たすようにということだと思いますね。 それからETFについては、当然ですけども、このETFのマネージをしている信託銀行というか、そういうところが適切な株主向けの講師をしておられますので、これが何か、それ自身として企業のガバナンスにマイナスの影響を出すということではないと思うんです。もしそういうことを言われれば、日銀が買おうと買うまいと、こういうETFのようなファンドは良くないという話になってくるので、ご承知のようにアメリカ、欧米ではこういうファンドはものすごく大規模になっていますよね。だからといってコーポレートガバナンスにマイナスの影響が出ているという議論はあまり聞かないんですけどもね。よろしいですか。 NHK:じゃあ、よろしいですか。 黒田:じゃああの人だけ、最後。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見3月16日 全文4へ続く