日銀・黒田総裁会見3月16日(全文3)非常に効果があると思っている
市場の反応をどう見ているのか
東京新聞:ありがとうございます。東京新聞の森本と申します。先ほどからちょっと出てる同じような質問で恐縮なんですけれども、本日、金融政策決定会合を開いて声明文を公表したにもかかわらず、実際に日経平均株価は400円ぐらい下がったりしてますけども、これは市場の反応についてどのようにみてらっしゃるか教えていただけますか。 黒田:マーケットのことはマーケットに聞けっていうぐらいで、あまり私から申し上げるのはいかがかと思いますけれども、私はこういった形で潤沢に、円もドルも潤沢に流動性を供給する、そして企業金融に円滑に進むように万全を期する。そしてそのマーケットで、若干、リスクセンチメントの低下、リスクプレミアムが拡大しようとしているところに働き掛けるということは非常に効果があると思っていますので、今日うんぬんということであまり悲観する必要はないと思います。
週末はどう過ごしたのか
ウォール・ストリート・ジャーナル:ウォール・ストリート・ジャーナルの藤川です。今朝にかけて、各国中銀によるドルオペの拡充ですとか、FEDの追加の緊急利下げですとか、日銀としても前倒し会合と、セントラルバンカーの皆さんにとっては忙しい週末であったと思うんですけれども、黒田総裁はどのようにこの週末は過ごされたんでしょうか。例えば中銀総裁との連絡を密にされていたのかとか、今日の決定についても思慮されっていたのであるとか、可能な限りで教えてください。 黒田:内部でいろいろ打ち合わせとか、いろいろあり得たということはそうなんですけども、基本的に最近あまり土日、外に出歩かないようにしていますが、床屋に行って、それから本屋さんに行って本をたくさん買ってきて家で読んでるということであります。仕事については当然、いろんな打ち合わせっていうものが電話でもパソコンでもできますので、それは自宅にいてもできるということだと思います。
9月には企業の資金繰りが改善されると見ているのか
産経新聞:産経新聞の大柳です。本日決めた企業金融支援オペと、CPの買い入れなどは時限措置ということで、一方でETFは当面と。見ようによっては、先ほど総裁、日本の最大輸出先である中国が終息に向かっている。見方によっては金融事業の不安定さよりも、時限的に今年の9月ぐらいには企業の資金繰りはだいぶ改善するんじゃないかって、見方によっちゃ見えるんですけど、この辺、時限措置とそうでないものとを分けた理由も含めてちょっとご説明していただけますでしょうか。 黒田:ETF、J-REITのほうはあくまでもマーケットを見て、そして当面なんですけども、その当面がどれぐらいの期間かというのはマーケット次第ですので、そこは必要な限り12兆円のペースでやっていくということに尽きると思いますが、資金繰りのほうはご指摘のように、コロナウイルスの収束がいつごろになるのかってまだ分かりませんけれども、中国とか韓国なんかの状況を見ていると、ものすごく長いということではなくて、一定の期間で収束に向かうと。 ただ、その場合でも企業金融に対するプレッシャーは少し続く可能性もありますので、半年、6カ月はやりますと。もしさらに必要があれば当然、延期もできますし、延長もできると思いますけども、6カ月はやりますということに尽きると思います。