日銀・黒田総裁会見3月16日(全文3)非常に効果があると思っている
必要な策は打ったという認識か
テレビ朝日:現時点で日銀としては、今、必要な策は全て打ったという認識でしょうか、それとも今後、経済活動が停滞する期間が延びるなど、さらに状況が悪化した場合に、また追加で対応することもあるんでしょうか。 黒田:もちろん現時点で必要にして十分な措置は取ったつもりですけども、そもそも感染の拡大、テンポとか、それがいつ、どのようにして収束されていくかということでいろいろ不確実性がありますので、それはわが国だけではなくて、今、急速に拡大している欧米の状況がどうなのかということもありますので、不確実性がいろいろあるということですので、当然、経済・物価にさらなる下押し圧力が出てくることになれば、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を取るということだと思います。
円高が進んでいない理由をどう考えているのか
西日本新聞:西日本新聞の飯田といいます。よろしくお願いいたします。為替についてお伺いいたします。これまでのショックとは少し違って円高があまり進んでいないように思いますけれども、その理由について総裁はどのように考えていらっしゃいますか。 黒田:為替については、私も昔、財務省におりましたときに為替政策の担当というのを長いことやったんですけども、何を言ってもなかなか当たらないわけですし、為替政策自体の権限と責任は財務省ですので、私から何か申し上げることは僭越だと思いますけれども、為替はやっぱりファンダメンタルズを反映して、安定的に動く、安定的に推移するというのが重要で、大きく変動されると企業としては経済計算上、非常に不確実で困るので、やはり為替レートというのはファンダメンタルズを反映したレベルで安定的に推移してほしいと、そういうふうに期待をしています。 もし非常に、日本銀行自体は為替政策も担当していませんし、為替の安定を図らなくてはいけないわけでもないんですが、仮に大幅な円高になったりすると、それは当然、経済とか物価、金融市場に大きな影響を与えますので、そうなったときにはそれなりにまた対応しないといけないということだと思いますけど、為替自体についてはやはり財務省にお任せするということになります。