ソフトバンクのドラ1村上“由伸ロード”を歩む!! 狙うは沢村賞&奪三振王からメジャー挑戦
ソフトバンクからドラフト1位指名を受けた村上泰斗投手(17=神戸弘陵)が1日、神戸市内で入団交渉に臨み、契約金8000万円、年俸800万円(金額は推定)で合意した。球団が将来像として描いているのはドジャース・山本由伸投手(26)のようなスーパーエース。高卒プロ入りから着実にステップアップした“由伸ロード”を歩み、球界を代表する投手になると大志を抱いた。 鷹のドラ1が大きな期待を背負ってプロの世界に踏み出す。入団交渉の席で、入念なスカウティングを行った永井智浩編成育成本部長から「山本由伸2世」と高い評価と期待を伝えられた。 「はっきりと“山本選手のようになってほしい”と言っていただいた。しっかり受け止めて頑張りたい。真っすぐももちろんですが、全ての球種で勝負できる投手になりたいです」 今季ドジャースで活躍した山本は、オリックス時代の高卒1年目から5試合に投げてプロ初勝利をマーク。2年目はリリーフで活躍すると、3年目に先発で最優秀防御率の初タイトルを獲得した。そこからステップアップを続け、21~23年の3年連続の沢村賞など球界最高峰の投手へ上り詰めた。 村上も進化し“由伸ロード”を目指す。プロ1年目は体力強化に励み「シーズン最後の方に1軍で投げられるような体づくりができれば」とプランを描く。チーム方針によるが「自分の中にも最初はリリーフで、そこから先発としてというのがあります」とうなずいた。目標のタイトルは奪三振王と沢村賞だ。メジャー挑戦の思いも胸に秘めており、「最終的には日本を代表するピッチャーになっていきたいですし、日の丸のユニホームを着たいという思いもあります」と力を込めた。 底知れないポテンシャルが魅力だ。中学までは捕手で高校入学後に投手へ転向し、急成長を遂げた。変化球の習得が早いという自負もある。目指す投手像としては山本の名前を挙げたが、最大の武器である直球で「憧れ」だと口にするのは阪神・藤川監督。村上が投げる最速153キロの直球は2500回転超(1分間に換算した回転数)を記録。福山龍太郎アマスカウトチーフは「プロでもトップランクのスピン量」と話した。藤川監督の現役時代の投球を甲子園で観戦したこともあり、「火の玉ストレート」が理想だ。 球団は昨年ドラフト1位の前田悠と同様に「特別育成プログラム」を組む方針。伸びしろたっぷりの右腕は無限の可能性を秘めている。 (木下 大一) ○…現行のドラフト制度になった08年以降、ソフトバンクが高校生投手をドラフト1位で指名したのは村上で7人目。過去は11年の武田翔太、14年の松本裕樹、15年の高橋純平、17年の吉住晴斗、21年の風間球打、23年の前田悠伍。武田が8勝を挙げるなどルーキーイヤーから活躍し、松本裕は中継ぎとして確固たる地位を築いている。 ◇村上 泰斗(むらかみ・たいと)2007年(平19)2月20日生まれ、兵庫県出身の17歳。小1から白金メッツで野球を始める。中学では大阪箕面ボーイズで捕手兼外野手。神戸弘陵では2年春からベンチ入りし、同秋からエース。3年夏は兵庫大会3回戦で敗退。50メートル6秒3、遠投110メートル。1メートル80、76キロ。右投げ両打ち。