<プロ野球>個人タイトルを取るのは誰だ
プロ野球のレギュラーシーズンもいよいよあと十数試合を残すのみとなった。セ・リーグでは巨人が完全に抜け出しリーグ優勝目前、パ・リーグでは逃げるソフトバンクをオリックスが必死に追っている。その一方で個人タイトル争いも佳境を迎えている。下位チームのファンにとっては残された楽しみの一つでもあるタイトルレース。今回はその行方を占ってみたい。 ※文中、表中の成績は9月20日現在
■首位打者 セ・リーグはマートンが逃げ切り濃厚、パ・リーグは大混戦
まずは両リーグの首位打者争いから。セ・リーグでは2010年3位、2011年2位、2013年4位とあと少しで首位打者を逃してきた阪神のマートンを今シーズン打撃開眼した2人の若手二塁手、ヤクルトの山田と広島の菊池が追う展開となっていたが、ここにきてマートンがほぼ安全圏までリードを広げた。表1はマートンの残り試合での成績により最終打率を、追う2人が上回るために必要な成績を表したものである。マートンが残りの試合で2割そこそこの打率(33打数7安打)で終わったとしても菊池、山田が上回るためには残りの試合で5割近い成績が必要なのだ。阪神の順位が確定すれば打率を落とさないために欠場することも可能で、よほどのスランプに見舞われない限りは初タイトルを獲得することになりそうだ。
一方のパ・リーグは大混戦。表2はセ・リーグと同様に現在首位打者の糸井(オリックス)を追う4人が上回るために必要な成績を並べたものである。20日現在で1位糸井と2位銀次(楽天)の差はわずか1毛。3位の内川(ソフトバンク)も前を行く2人が残りの試合で3割を切るようであれば可能性は十分、柳田(ソフトバンク)、中村(ソフトバンク)の2人は相当なペースアップが必要だが7試合で13、14安打は不可能な数字ではない。 ただソフトバンク勢は全日程の終了が10月2日と早いのがネック、逆に3日以降に4試合を残している銀次が立場上一番有利となりそうだ。糸井は8月下旬から調子が下降気味だったが19、20日に2試合連続本塁打と復調気配、オリックスからの首位打者となれば2000年のイチロー以来実に14年ぶりだ。