グッゲンハイム財団が新VIを発表。オープンソースのフォントも無料提供
ソロモン・R・グッゲンハイム財団は、ニューヨーク、スペイン・ビルバオ、イタリア・ヴェネチア、そしてアブダビ首長国・アブダビにあるグッゲンハイム美術館の新たなビジュアルアイデンティティを発表した。 今回の刷新は、ロンドンのデザイン事務所・Pentagramと共同で行われ、グッゲンハイム財団が世界的な文化機関としての地位を強化することを目的としている。同時に、各美術館がもつ独自の地域性を尊重しながら、グローバルな存在としての一体感をもたらすという。 新たなアイデンティティの中心には、「グッゲンハイム・サンズ(Guggenheim Sans)」と名付けられた、オープンソースのカスタムフォントがある。これはラテン文字とアラビア文字の両方に対応しており、財団が展開する地域や文化の多様性、さらには国際的な対話とアクセスの促進に向けた取り組みを反映している。また、このフォントは一般にも無償で提供されている。 新しいビジュアルアイデンティティの導入に伴い、ニューヨークのグッゲンハイムのミュージアムショップでは、衣類やアクセサリー、ギフトなどを含む限定コレクションも発表された。今後、ビルバオ、ヴェネツィア、アブダビ、そしてオンラインでも展開される予定だ。 ソロモン・R・グッゲンハイム美術館および財団のディレクター兼CEOであるマリエット・ウェスターマンは声明文で、「今回の新しいビジュアルアイデンティティは、当財団が4つの異なる都市に展開し、それぞれの建築的な特徴をもつ美術館として、近代美術と現代美術の素晴らしい作品を鑑賞し、学ぶ場所を提供していることを象徴している」と述べ、「私たちはアートと建築を通じて、変革的な体験を創造し共有する、ひとつのグローバルなネットワークを形成している。この新しいアイデンティティは、そうした共通のビジョンを反映しつつ、各美術館の独自の精神を尊重している」と語っている。 また、副ディレクター兼ブランド・コミュニケーション責任者のティナ・バズは、「この新しいビジュアルアイデンティティを開発するにあたり、当財団の美術館が持つダイナミックで相互に連携したシステムを反映することを目指した」と説明し、「グッゲンハイム・サンズをオープンソースのフォントとして提供し、アラビア文字セットも含むことで、アクセスと文化間の対話を促進する姿勢を表現している。これはたんなるフォントではなく、クリエイティブな表現のためのツールであり、グッゲンハイムの物語に誰もが参加できるようにするためのものだ」と述べた。 なお新しいVIは2025年を通じて、すべてのグッゲンハイム美術館の拠点およびプラットフォームに導入される予定だ。