円は対ドルで150円半ばに下落、日銀総裁発言後の円高反動でドル買い
(ブルームバーグ): 2日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=150円台半ばに下落した。日本銀行の植田和男総裁が追加利上げのタイミングが近づいていると述べたことを受けた円買いが一服し、ドルを買い戻す動きが優勢だ。
関西みらい銀行の石田武ストラテジストは「149円60銭あたりに一目均衡表の雲があるため、そこに近づくとドル・円はいったん反発しやすくなる」と話す。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、前週末からドル安が続いていたため、いったんはその反動でドルが買い戻されていると指摘した。
植田総裁は日本経済新聞との11月28日のインタビューで、追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる」と述べた。発言が伝わったニューヨーク時間29日の外国為替市場で円は一時149円47銭まで買われ、10月21日以来の高値を付けていた。
金融市場(OIS)が織り込む12月利上げの確率は一時7割近くまで上昇するなど、円高進行に対する警戒感は根強い。
関西みらい銀の石田氏は、200日移動平均線が位置する152円に近づくとドル・円の上値は重くなると指摘。年内に日銀が利上げし、米国が利下げに踏み切れば、145円を目指す展開になるとの見方を示した。
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Masahiro Hidaka