【大学野球】早大エース・伊藤樹が申し分ない投球 明大との「相星決戦」に先勝
8回3安打1失点の投球
【10月19日】東京六大学リーグ戦第6週 早大3-2明大(早大1勝) 春の覇者・早大と明大は6勝1敗1分け、勝ち点3で並んでいた。明大との「相星決戦」を前に早大・小宮山悟監督は意気込んでいた。 【選手データ】伊藤樹 プロフィール・寸評 「(この展開は)レアケースだと思います。がっぷり組んだ、五分五分の勝負。雌雄を決するカード。点を取って取られて、スタンドが一喜一憂する。これ以上の戦いはない。死力を尽くして『よく頑張った!!』と言っていただける形へと持ち込みたい」 早大は大事な初戦を、3対2で逃げ切った。 「最初のゲームを取れて、明日、明後日は、多少は余裕を持って臨める。伊藤樹(3年・仙台育英高)が素晴らしいピッチングをしてくれたので、皆、喜んでいただけたのではないかと。ホッとしています」(小宮山監督) 背番号11を着ける先発のエース・伊藤は8回3安打1失点と、申し分のない投球を見せた。今季6試合目の先発で5戦無敗。全試合で6回以上を投げ、防御率1.40とスキのない内容である。この日はストレートの調子が良く、変化球を丁寧に低めに集め、明大打線に的を絞らせなかった。 冷静かつ強気だった。 「7回を終えた時点で100球程度(実際は113球)。真っすぐ自体は変わらない。スプリットとチェンジアップが生命線なんですが、精度が落ちてきた。2点差で8、9回を後ろに任せる選択肢もありました。信用をしていないというわけではありませんが、8回までは投げたほうが良いかと……。9回は田和(田和廉、3年・早実)がいる。(8回は)投げさせてほしいと、続投を志願しました」
8回表は一番打者から3人を三者凡退に抑え、ラスト1イニングを田和に託した。暴投で1失点し、なおも、一死一、二塁とピンチが続いたが、次打者の一ゴロで一塁走者を二塁封殺後、二塁ベースカバーに入った遊撃手・山縣秀(4年・早大学院)は、投手の一塁ベースカバーが間に合わないと見るや、三塁へ素早く転送。飛び出した走者がタッチアウトになり、併殺プレーでゲームセットとなった。 早大は守り勝った。伊藤樹は言う。 「(1勝1敗での)3回戦も準備しながら、連勝で終われば、(第9週の)早慶戦にうまく持っていける」 早稲田のエースとは1回戦、3回戦を投げ切ってこそ本物である。この秋は3カードで実践しており、伊藤樹は味方の連勝を願いながらも、万全のコンディションに整えていく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール