ENEOSサンフラワーズ田中こころ&八木悠香…Wリーグ開幕2連戦で魅せた度胸満点のルーキーたち
■強心臓のプレーで開幕戦では11得点を奪取した田中こころ
10月11日、「大樹生命Wリーグ 2024-25 シーズン」が開幕した。開幕戦はENEOSサンフラワーズとトヨタ自動車アンテロープスとで行われ、11日の第1戦、翌12日の第2戦ともにENEOSが接戦をものにして連勝スタートを飾った。 2試合ともに得点面で大きく貢献した長岡萌映子や要所でのシュートを沈めたオコエ桃仁花、絶対的司令塔でもある宮崎早織と「東京2020オリンピック」の銀メダリストたちがチームをけん引。加えて大きな輝きを放ったのが田中こころと八木悠香のルーキー2人だ。 桜花学園高校から入団したガードの田中こころは、第1戦の試合開始から約5分後に交代でコートイン。フリースローで初得点を挙げると後半も積極的な攻めを見せ、23分48秒の出場で11得点2アシスト2スティールをマークした。中でも第2クォーターには相手エース・山本麻衣のドライブに対し粘り強くついていき、最後はシュートをチェック。「山本さんとマッチアップということで今まで練習してきたのですが、そんな簡単に勝てる相手ではないので、1本スティールは絶対にしようという目標でやっていました。もっともっと負けないぐらいのディフェンスを頑張りたいと思います」と、田中は山本とのマッチアップについてこう語った。また、第4クォーター残り5分53秒、同点の場面ではドライブからシュートを試みると、これがトヨタ自動車の安間志織のファウルを誘いバスケットカウント。勝ち越し点を鮮やかに決めてみせた。このルーキーの奮起でさらに勢いが付いたENEOSが僅かに先行すると、最後はトヨタ自動車の追い上げも振り切って78ー72で勝利。 「自分の一番の役割は交代で出てチームの流れを変えることだと思っているので、それを今日はできたかなと思います」 試合後、メディアの前でWリーグデビュー戦を振り返った田中。勝ち越しのシュートについていても、「まずは自分優先でドライブに行くという気持ちが強かったので、変なシュートになっちゃったんですけど結果的に入ってよかったです」と、笑顔を見せた。 「長岡さんや宮崎さんのところはマークも強いのですが、その分、私が新人ですけど思い切っていくことで長岡さんや宮崎さんも空いてくると思うので、そこは自信を持ってドライブだったりシュートだったりをしていきたいです」と、田中。高校時代から試合では緊張しないというが、Wリーグのキャリアスタートとなるこの日も「緊張というよりもすごく楽しみでワクワクした気持ちでアップしていました」と、言う。さらには「多少の緊張はするんですけど、コートに立ったら緊張はしないので、いつものプレーという感じです」とも冷静に語っていた。 続く翌日のトヨタ自動車との2戦目も途中出場すると、トヨタ自動車のマークが前日より厳しくなった中で前半はミスが続いてしまう。それでも、「前半はすぐに交代という形になりましたが、そのときにコーチからボールをもっと離して、最終的に自分がもらって、そこからピックを使うようにというアドバイスをもらったので、後半はどんどんボールを離して、最終的に自分で行ったり、周りを見たりするようにしました」と、後半には好アシストなどでチームメートの得点を演出。5得点4リバウンド3アシスト2スティールというスタッツでデビュー戦を終えた。