ENEOSサンフラワーズ田中こころ&八木悠香…Wリーグ開幕2連戦で魅せた度胸満点のルーキーたち
■2戦目に登場の八木悠香は13得点でデビュー戦を飾る
一方、京都精華学園高校出身で田中とともに今シーズンより入団した八木悠香は、初戦の出場はなし。第2戦目の第1クォーター残り10秒で初出場を果たした。すると、第2クォーター開始37秒にはオコエからのパスに合わせてリング下でシュート。これが初得点となると、その後も長岡のパスにタイミング良く反応してシュートをねじ込むなど積極的にリングに向かい、18分33秒の出場で13得点3リバウンドを奪取した。 「昨日の試合(第1戦)に出られなかったというのは、自分の中でも結構悔しかったんですけど、切り替えるようにしていました。今日は自分ができることを出せたかなと思います」(八木) この“自分のできること”については、「今は4番ポジションや3番ポジションをやらせてもらっているのですが、そのときのカッティングの合わせのプレーなどは自分の中では出せたかなと思います」と、言う。 試合では長岡の巧みなパスから八木のシュートという場面もあったが、これには「『え、ここに来る?』と思ったけど、パスを取ることができたので」と、先輩の好プレーに驚いたよう。「昨日、試合に出ていなかったので緊張はしたけれど、1本シュートが入ってそこで緊張はほぐれました」とも振り返った。 第1戦は不出場もベンチでは相手のプレーをしっかりと観察した。「自分の中で相手のプレーが分かっていたので、(それに対しての動きも)しっかりできたと思います」と、八木。悔しい思いを持ちながらもベンチでできることを怠らなかったことが第2戦での爆発に繋がったといえるだろう。 第2戦では田中とともに出場する場面も多く、田中からいいアシストもあった。「(パスが)来るとは思っていました」という八木に対し、田中も「いつもいいところにいてくれるので、信頼してパスを出すようにしています」という。また、「八木が頑張っていたので、負けないようにと思って後半頑張ることができました」と田中が言えば、八木も「頼もしい存在です。コートの外と中では全然違っていて、コートに入ったら田中の方が先に出てる分、引っ張ってくれるので自分の中では心強いです」と、コメント。 2人ともに第2戦では試合終盤の緊迫した場面でコートに立っていた。指揮を執るティムルイスヘッドコーチは終盤の起用について、「2人はプレーできることを証明しているし、信頼もしています。プレータイムに関して年齢は関係ないと思っていて、高卒の選手だとしても、3年間待ってプレーさせるよりもすぐに(試合で)プレーするべき。一番勉強になることは試合に出ること。試合でミスをしたとしても、そこから学ぶことは大事です」と、言う。さらに、「あの2人はきっと伸びるし、将来トップ選手になると思います」と、大きな期待も寄せた。 強気のプレーで堂々のWリーグデビューとなった田中と八木。 「手応えをつかんだところもあれば、やっぱりまだまだ自分に足りないなと思うところも2試合でたくさんあったので、特にディフェンスやフィジカル面で負けてしまっていたので、そこはこれからトレーニングなどで体を作って頑張りたいです」(田中) 「自分の得意とする誰とでも合わせができることに関しては、そこで点にもつながったのかなと思います。あとは合わせだけでなく、もっと自分がボールもらってピックを使うなど、そういったこともこれからしていきたいです」(八木) それぞれが開幕戦を通して得た自信と課題を胸に、ENEOSの新星は今後もさらなる高みを目指していく。 文=田島早苗
BASKETBALL KING