「山の神に迫った男たち」宮下隼人&山本唯翔が“史上最大の5区決戦”を大予想! 箱根駅伝の4代目「神」候補は若林宏樹(青学大)かそれとも…?
「新記録出るぞ」に「えっそうなのって(笑)」
「その時、えっそうなのって思いました(笑)。襷を渡された時はシード圏外(13位)だったので、なんとかシード圏内で往路を終えるためには、区間賞を獲らないとダメだと思っていたんです。タイムは最後についてくるものだと思っていたので、気にはしていなかったですね。最終的に9位で終えることができたので、ちょっとホッとしました」 区間新の走りでチームをシード圏内に戻す走りを見せたが、「山の神」の称号を得ることはできなかった。
命名「山の妖精」
「その時比較したのが、コースと距離が似ていた初代・山の神の今井正人さんの記録(69分12秒)だったんです。そこには全然追いついていないですし、チームを優勝させることができなかったので、これじゃ神じゃないなぁと思っていました。すると監督が考えて名前を付けてくださったんです」 そして名付けられたのが「山の妖精」だった。 「僕は、神になりたかったんですけどね(苦笑)。妖精と言われた時は、最初、すごく恥ずかしかったんです。世間になんて思われるんだろう、大丈夫かなって思うこともありました。でも、自分が何かひとつ大きなことをやり遂げた証なんじゃないかなと思うようにして、その言葉が定着してからは、これでいいかなと思いました」
箱根史上最大の頂上決戦となるか
つづく第100回大会、4年生になった山本は、今井氏の記録に2秒差と迫る69分14秒をマークし、区間記録を再び塗り替えた。 69分台の区間記録を出し、往路は3位、総合も3位になったが、山本は惜しくも「神」には届かなかった。区間新と、往路優勝か総合優勝への貢献、という条件を満たさないと「山の神」の称号は得られないのだ。とはいえ、山本の2大会連続での区間新は、実力的には「神」に値するものだ。山本は「3代目・山の神」の神野大地以来、もっとも「山の神」に近づいた選手だった。 第101回箱根駅伝は、国学院大の3冠達成なるか否かが大きくフォーカスされているが、10区間中もっとも熱く、「箱根史上最大の頂上決戦」になりそうなのが5区だ。 区間配置の発表で5区出走が決定しているのが、工藤慎作(早稲田大2年)、若林宏樹(青学大4年)だ。駒澤大は補欠登録の山川拓馬(3年)、城西大は斎藤将也(3年)が当日変更で5区に入ることが濃厚だ。創価大の吉田響(4年)も補欠登録だが、2区にスティーブン・ムチーニ(2年)が入れば吉田が当日変更で5区に入るだろう。実力者が集い、しかも優勝を争うチームの選手ばかりなので、「4代目・山の神」が誕生する機運は高まっている。
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