“大人の発達障害(ADHD)”が増加中…子どもの特性とはどう違う?原因を医師が解説
最近ニュースでADHDという言葉を目にする機会が増えた。ADHDとは、現代の代表的な精神障害の一つと言われる。「スケジュールの管理ができない」「人と会話するのが苦手」……もしかしたらそれはADHDの症状かも。六本木クリニックの院長・山田博規さんにお話しを伺った。 【写真】パリス・ヒルトンも…ADHDであることを明かした10人のセレブたち ▼山田 博規さん/六本木クリニック(心療内科・精神科)院長 神戸大学医学部を卒業後医師としてのキャリアをスタートさせる。病院勤務を継続しながら産業医として会社員のメンタルヘルスにも精通する。2019年に六本木クリニックを開院し、その経験からメンタル対策への疑問について2018年、2020年に計3冊の書籍を出版している。
大人のADHDとは?
山田先生によるとADHDとは下記のとおり。 「大人のADHD」は幼少期から続いていた注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状が大人になってからも継続し、大人になってから診断されることを言います。 実際には幼少期からADHDの特性はあるが、診断までたどりついていない人が多いかと思います。診断までにたどりつけない理由は様々ありますが、その多くが認識の欠如、発達障害へのスティグマ(差別や偏見)や固定概念があることや、問題があっても幼少期にやり過ごす方法などを無意識に取得しているケースが見られます」 大人のADHDと小児のADHDは同じ特性があり違いはないという。 しかし、大人は会社や家庭など複雑な社会環境に伴い、適応障害、うつ病、孤独、心的外傷後ストレス障害(PTSD)との相関関係が増加する傾向がある。 さらに「Jornal of Global Health」の論文によると、ADHDを抱える大人は6.8%(2020年調査)近くに上り、アメリカでは2023年の4.4%から約2.4%上昇したという。 世界的にも増加しているというADHD。というよりも、実はADHDが広く知られたことで未診断だった人々が診察を受けて、ADHDと診断される人が増えていると、山田先生は話す。