遭難の約7割が事前準備不足 サンダル履きで登山も 甘く見ると危険な身近な山登りの注意点 【福岡発】
高カロリーの「行動食」をこまめに
奥薗さんの3つ目のアドバイスはエネルギー補給について。登山の際は、昼の弁当だけでなく「行動食」を小まめにとることが大切だという。5時間登山をした場合、約1800キロカロリーが消費される。そのため登山の際はピーナッツやチョコレートなど高カロリーのものを行動食として用意し、定期的にエネルギーを補給することが持久力アップにつながるというのだ。 4つ目のアドバイスは装備について。奥薗さんの荷物の中には、地図やコンパス、救急キットに雨具など基本的なグッズが入っていたが、特にお勧めなのが「エマージェンシーシート」。着るだけで体温の温存や、風から身を守るのに便利なアイテムだ。シートを羽織った取材班によると、軽い上にかなり温かいという。道に迷って身動きがとれなくなった時などには、このシートを羽織って雨露を凌げる場所でじっと助けを待つのに役立つのだ。
遭難事故の約7割は「道迷い」
登山開始から約3時間。道が分かれている分岐ポイントに差し掛かった。奥薗さんは自分が立った位置で本来の道とは別の方角にも道があるように見える場所は、道に迷うケースが多いと注意を促す。登山ルートから外れ、現在地が分らなくなることで起こる「道迷い」。実は、遭難事故の約7割は、この道迷いが原因だ。登山経験に関係なく、すべての登山者が道迷いを起こす可能性があるという。 もし道に迷った場合、どうすればいいのか?原則は、必ず引き返すこと。それでも来た道が分からなくなった時は、「高い方に登る、稜線に向かって登っていくようにしてもらいたい」と奥薗さんは力説する。 なぜ下に向かっては駄目なのか?その理由は登り道は全て頂上というゴールに向かっているから。反対に下り道は根っこのようなイメージで道が広がっていくため、さらに迷ってしまうことがあると奥薗さんは警鐘を鳴らす。 道迷いをした時に最初にすべきことは、「自分の居場所がどこなのか?現在地の確認ができる場所に行くこと」だという。そのためには「稜線に上がるのが一番良い」と強調した。 そしてようやく頂上に到着。眼下に広がる九州一とも言われる眺めを目にして、取材班の疲れもいっぺんに吹き飛ぶ。「十分な準備をして山に入ると、素晴らしい景色も楽しめる。身近な山であっても普段から気を付けてほしい」と奥薗さんは登山者に向け呼びかけた。 (テレビ西日本)
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